研究課題/領域番号 |
20K18229
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
山口 乃里子 獨協医科大学, 医学部, 助教 (50755618)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 卵巣癌 / miR-223 / 上皮間葉転換 / ZEB-1 / 卵巣漿液性癌 / miRNA / E-Cadherin |
研究開始時の研究の概要 |
癌細胞におけるmiRNA(マイクロRNA)の役割は、癌の増殖や転移、抗癌剤感受性を操作すると言われている。miRNAと卵巣癌の関係性は、ある程度明らかにされつつあるものの、直接的な治療法の開発には至っていない。しかし、近年miRNAが多くの疾患で治療薬として注目され始めていることもあり、今後卵巣癌に特異的なmiRNAをターゲットとし、治療薬を開発もすることは不可能ではない。本研究では卵巣癌の原発巣、転移巣でのmiRNAの発現差状況を検討し、新たな治療法の確立を目的とする
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研究成果の概要 |
卵巣癌の転移浸潤には上皮間葉転換が関係しており、我々はこれまでにmiR-223がZEB-1の発現を制御していることを同定した。miR-223低発現の漿液性癌細胞株であるOV1063にpCMV蛍光タンパク質ベクターを導入し、miR-223を過剰発現させたSt細胞株を作成した。結果、ZEB-1はmRNAレベルでは野生株と発現が変わらないが、タンパクレベルでは低発現であることが判明した。浸潤能試験及び化学療法応答能試験ではこの細胞株は浸潤能が低く、シスプラチンへの感受性が高いということが判明し、miR-223の下流のZEB-1が実際に卵巣癌の悪性度に関与している可能性があることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今後卵巣漿液性癌の臨床病理学的因子とmir-223の相関関係が明らかとなれば、実際に予後予測や早期診断への応用や病勢把握が実現する可能性がある。特に卵巣癌は検診の意義が確立されておらず、発見時進行していることが多い為、これが診断マーカーとして確立すれば早期発見につながる可能性もある、更に、近年発展しているmicroRNA創薬にトライすることで新たな治療戦略の道が開ける可能性もある。
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