研究課題/領域番号 |
20K18236
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
古形 祐平 大阪医科薬科大学, 医学部, 助教 (80829953)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 子宮内膜症 / エクソソーム / miRNA / 次世代シーケンス / バイオマーカー |
研究開始時の研究の概要 |
子宮内膜症は、子宮内膜に似た組織が子宮周囲や卵巣など子宮内膜以外の部位で病巣を形成し、過度の月経痛や骨盤痛、不妊など様々な症状を引き起こす良性疾患である。しかしその診断は難しく、症状が出現した時点で病状が進行していることも少なくない。子宮内膜症と不妊症は密に関係していると考えられているが、不妊症例に対する薬物療法や手術療法の有効性は示されていない。また子宮内膜症性嚢胞の約0.72%に卵巣癌が含まれ、子宮内膜症患者の卵巣癌罹患率は通常の2~3倍に上ると言われ、早期治療介入は卵巣癌の罹患数減少につながる重要なポイントでもある。その早期発見に繋がる検査法を探るのが、この研究の目的である。
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研究成果の概要 |
子宮内膜症は過度の月経痛や不妊など様々な症状を引き起こす疾患だが、小さい病変は発見しづらく早期診断が難しい。そこでエクソソームという細胞からの分泌物に着目した。エクソソームには細胞からの情報が含まれており、それを内膜症の診断に役立てようという研究である。子宮内膜症病変や正常卵巣からエクソソームを抽出し、その中に含まれるmiRNA(遺伝子の発現を抑制するRNA)を解析すると、内膜症病変で1種類、正常卵巣で3種類のmiRNAが多く発現していた。正常卵巣には、そのmiRNAのターゲットとなる特異的な遺伝子を4種類同定した。その遺伝子の内膜症での発現有無を評価し、治療への応用を検討していきたい。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞から放出されるエクソソームにはその細胞の情報が含まれているため、それを解析することが疾患の早期発見につながる可能性が注目されている。これまでエクソソームの研究報告は尿や血液からの抽出が主流だったが、本研究では病巣の組織から直接抽出することでより多くの特異的なエクソソームの抽出が期待できる。本研究を通して子宮内膜症に特徴的な物質が明らかになれば、これまで手術でしか確認しえなかった初期病変も血液中のエクソソームを用いた診断が可能になり、早期治療介入が可能になると同時に、関連する不妊症や卵巣癌の発生母地の減少に繋がると考える。
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