研究課題/領域番号 |
20K18238
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 (2021-2023) 国立研究開発法人国立成育医療研究センター (2020) |
研究代表者 |
羅 ことい 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 助教 (00865529)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 重症筋無力症合併妊娠 / 合併症妊娠 / データベース構築 / 新生児一過性重症筋無力症 |
研究開始時の研究の概要 |
重症筋無力症(以下MG)は妊娠中に1/3が増悪し、帝王切開率が高いといわれている。産褥期に増悪しやすい特徴もある。本研究は多施設でレジストリーを行い、16歳以上のMG合併妊婦の妊娠中、産後のデータを収集し、その臨床経過を解析するとともに増悪リスク因子の把握、治療介入の効果を明らかにするものである。データベースから導き出されるエビデンス構築により診療・管理指針作成を目指す。
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研究実績の概要 |
重症筋無力症(以下MG)は30歳代前後の女性での発症が多いことが知られているが、ここ10年で患者数は約2倍に増加していることよりMG合併妊娠は今後増えてくることが予測される。MG合併妊娠では、前期破水率の上昇、帝王切開率や機械分娩率が増加する可能性、産褥期の病勢増悪、新生児一過性重症筋無力症など、妊娠期・分娩期・産褥期毎に母児に様々な影響を及ぼす可能性が示唆されているが、詳細な検討はされていない。本研究ではMG合併妊娠の臨床予後検討およびデータベース構築をすることにより、MG合併妊娠のガイドライン作成の基礎データ収集、周産期予後を改善することを目的とする。 また、前向きにMG合併妊娠の周産期予後や介入効果を評価した研究は国内外を通じてない。本邦に関してはMG妊婦を対象とした疫学的研究は存在せず、日本人女性を対象とした研究を新たに計画することは重要であると考えた。こうした前向き研究では、分娩結果に寄与する妊娠中の筋力低下に関する情報を正確に得ることができると考えられ、周産期予後に最も寄与する可能性が高い因子として、本研究で最も重要視する暴露因子の一つとして考えている。後ろ向き、前向きにデータ収集し、「どの程度まで筋力低下が改善すれば器械分娩や帝王切開率を減らせるか」「MG女性の産褥期増悪に寄与する因子はどれか」「新生児一過性重症筋無力症に寄与する因子はどれか」などについて検討する。さらに、希少疾患でもあるため記述的データとしても大変貴重なものとなりデータベース構築による日本のMG合併妊娠の現状を知ることが可能である。日本において神経内科と産婦人科間の協力体制も本研究を通して評価することが可能であり、改善点について検討を行うことが可能である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2023年度までに前向き5例、後ろ向き13例の症例登録が可能であった。 妊娠経過途中からのリクルートも行った。網羅的にデータを蓄積し今後の周産期管理を行う基礎となるデータベース構築を開始しているが、コロナ禍に伴う出生率の減少が目立ち合併症を持つ方々の出生数自体が減少傾向であるため当初の予定数を大幅に下回る登録結果となっている。また、神経内科と産婦人科に分けてデータの記述を行っているが、他科で重要視される評価項目がそれぞれわからず、合併症妊娠の全国的なデータ登録の難しさが如実となっている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続きデータ管理システムであるeACReSSを使用した他施設症例登録を目指していくが、 希少症例であるため観察データとしても有用である。本研究を通して本邦での重症筋無力症合併妊娠管理の現状を知ることが可能であり、今後重症筋無力症合併妊娠のみならず、他の希少疾患合併妊娠管理の課題を洗い出し/システム構築についても言及する。 すでに協力施設より既存データの提出を促しており、今年度中のデータ整理を行う予定である。
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