研究課題/領域番号 |
20K18274
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
高相 裕司 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (00866444)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 顔面神経 / CD38 / NAD+ / 神経変性 / CD38ノックアウト / グリア |
研究開始時の研究の概要 |
外傷性顔面神経麻痺は治癒率は他原因と比較して悪く、半永久的な顔面麻痺、拘縮などの後遺症に悩まされる。顔面神経損傷後には損傷部位から顔面神経核、末梢側に変性を引き起こす。そのため顔面神経核の保存が神経機能を保つために必要であり、最近の知見からグリア細胞を制御することが重要と考えられている。我々は顔面神経損傷後の神経機能温存のターゲットとして顔面神経核と末梢側神経の保存に着目した。本研究では顔面神経切断モデルを作成し、損傷後のグリア細胞の形態的変化と神経細胞死、軸索変性、脱髄変化を経時的に評価し、さらにグリア細胞制御によるそれらの予防効果について遺伝子改変マウスや薬剤投与を用いて検討する。
|
研究成果の概要 |
神経傷害に対するNicotinamide adenine dinucleotide(NAD+)の作用につきNAD+濃度の高いCD38ノックアウトマウス並びにNAD+前駆体を投与し濃度を高めたモデルを用いて検討を行なった。神経切断後の顔面神経核では神経保護効果は認めなかったが、末梢神経の変性が遅延した。このことから、NAD+濃度が高いことは神経傷害から神経を保護する作用があり、NAD+前駆体を投与することでもその効果が得られることがわかった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
以前からNicotinamide adenine dinucleotide(NAD+)の神経変性に対する保護効果は指摘されていたが、今回は末梢神経においても同様の効果を認めることがわかり、また投薬での人為的なNAD+濃度の上昇でもその効果が得られることがわかった。これにより神経傷害後にNAD+濃度を高めるような治療が神経変性を抑制する可能性が示唆され、神経傷害後の新たな治療法の開発につながることが考えられる。
|