研究課題/領域番号 |
20K18291
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
竹本 直樹 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (80851766)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 両反回神経麻痺 / 神経移植 / 神経再支配 / 動物実験 / 両側反回神経麻痺 / 新規治療戦略 |
研究開始時の研究の概要 |
反回神経は呼吸、発声、嚥下という喉頭機能に非常に重要だが、解剖学的要因から障害されやすい。反回神経麻痺は声帯運動制限を起こす。両側に麻痺が及ぶと、上気道狭窄や強い嗄声、誤嚥をもたらす。根治を目指すためには、内喉頭筋とりわけ後輪状披裂筋と甲状披裂筋への神経再支配が必要である。複数のウサギ手術モデルを比較検討し、各群で術後の喉頭機能を調べ、組織学的に内喉頭筋への神経再支配を評価する。本研究により、声帯の再可動および内喉頭筋への神経再支配が確認できれば、反回神経麻痺治療、特に両側反回神経麻痺治療への一助となる。
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研究実績の概要 |
両側反回神経麻痺に対しては気管切開術や声門開大術が行われるが、永続的な気管カニューレの必要性や術後嗄声により、患者のQOLを大幅に下げる。患者にとっても医療者にとっても満足できる治療法はまだない。当研究では喉頭の機能再生、神経再支配が得られるかをターゲットに研究を行っている。 すでに、ウサギを用いた吹鳴モデルを作成した。至適麻酔量を決定し、動物にとって苦痛を最小限にして研究を遂行できる環境を作った。ウサギ喉頭を観察し画像を録画でき、音声を録音できる環境を作成した。ウサギの反回神経の解剖学的構造を確認した。それをもとに反回神経麻痺モデルウサギを作成した。反回神経麻痺モデルでは反回神経の電気刺激を行うも声帯が動かないことを確認した。ウサギの反回神経への電気刺激の至適な値を設定した。 神経再支配モデルを作成するにあたり、術後に長期間の生育が必須となる。右反回神経麻痺ウサギは術後も長期にわたり生育することができることを確認した。右反回神経麻痺モデルウサギに対して神経移植を試みた。横隔神経を右後輪状披裂筋に移植したが、右声帯の可動性は十分に確認されなかった。また両側の反回神経麻痺モデルを作成したところ、手術侵襲による影響や両反回神経麻痺による気道狭窄により死亡する例が見られた。手術および術後管理の精度向上が必要である。 今後右反回神経麻痺モデルでの神経移植、神経再支配が得られるような手技向上に努める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
手術後に生育する過程が必要なため、結果の良悪の確認までに時間を要する。動物実験における3Rを遂行するために、1羽ずつ手術を行っており、何が悪かったのかフィードバックを得てから次に進む必要がある。臨床医として働く合間に行うため時間的制限が多い。
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今後の研究の推進方策 |
まずは適切な手技により、右反回神経麻痺モデルに対して、神経移植および神経再支配が得られるようにすることが必要である。それが遂行できれば、両反回神経麻痺モデルに対しても同様の結果が得られるかを順次遂行する。
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