研究課題/領域番号 |
20K18310
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 琉球大学 (2021-2022) 滋賀医科大学 (2020) |
研究代表者 |
當山 昌那 琉球大学, 病院, 専門指導医 (60838275)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 好酸球性副鼻腔炎 / 酪酸 / 2型炎症 / 2型炎症抑制 / 短鎖脂肪酸 / 炎症制御機構 / 好酸球性炎症鼻炎モデルマウス / in vitro |
研究開始時の研究の概要 |
好酸球性副鼻腔炎(ECRS)は2015年に難病指定された難治性疾患で、好酸球浸潤と多発性の鼻茸を特徴とし、手術を行っても再発しやすく、ステロイド以外に有効な薬物療法が確立していない。 ECRSの鼻腔内細菌叢では Clostridium目が少ないことが報告されている。Clostridium目が作り出す短鎖脂肪酸の酪酸は、制御性T細胞を誘導し自然リンパ球の機能を抑制し炎症の制御に関わっている可能性があるが、上気道炎症の制御における役割についてはわかっていない。 本研究は、ECRSにおける炎症制御因子として短鎖脂肪酸の役割を明らかにし、短鎖脂肪酸を利用した新たな薬物療法の可能性を探求することにある。
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研究成果の概要 |
好酸球性副鼻腔炎(ECRS)は手術をしても再発しやすい難治性疾患である。酪酸は炎症の制御に関わっているとされているが、上気道炎症の制御においては不明な点が多い。我々は酪酸によるECRSの炎症抑制作用について検討を行なった。マウスに複合抗原と酪酸を点鼻すると酪酸を投与したマウスは2型炎症が抑制された。ヒトのILC2、Th2細胞、CD19陽性B細胞にも炎症を惹起させるサイトカインと共に酪酸を投与したところ2型炎症を抑制した。実際にECRSの患者から採取した血液、ポリープも同様に炎症性サイトカイン産生の抑制を確認した。 これらから酪酸はECRSの患者の2型炎症を抑制する効果を有する可能性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
好酸球性副鼻腔炎の治療法として手術や高額な生物学的製剤、また長期的なステロイド投与が必要となる。手術や生物学的製剤は社会的、金銭的な負担があり、ステロイドはさらに身体的な合併症を生じさせる可能性がある。酪酸を含めた短鎖脂肪酸は元来生体内の細菌叢で産生されるので副作用が少なく、この研究で好酸球性副鼻腔炎の新しい治療戦略を検討し患者の負担を減らすことをができる意義がある。
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