研究課題/領域番号 |
20K18316
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
我那覇 章 宮崎大学, 医学部, 准教授 (00347155)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 前庭水管拡大症 / 沖縄 / SLC26A4 / STH-PAS / ペンドレッド症候群 / 迅速診断 / 核酸クロマトグラフィー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は先天性難聴の原因の一つであるペンドレッド症候群の患者より採取した血液からDNAを取り出し、遺伝子変異の有無や変異のタイプが判別できるようにPCRという手段により対象遺伝子を増幅する。通常、PCRにより増幅した遺伝子はシークエンスという塩基配列を解読する作業により遺伝子変異を確認するが、本研究では対象の遺伝子変異を検出可能な核酸クロマトグラフィーストリップという専用の試験紙を設計し、PCR後の検体に浸すことでシークエンスを行わずに5-10分程度で変異の有無が診断できるようにする。また、血液から直接PCRを行い核酸クロマトグラフィーストリップを用いて遺伝子変異を診断できるキットを作成する。
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研究成果の概要 |
我々はアレル特異的PCRとSTH-PASを用いたSLC26A4遺伝子のc.1707+5G>Aおよびc.2168A>Gの2変異の同定法を確立した.c.1707+5G>Aおよびc.2168A>Gは沖縄県の前庭水管拡大症患者で最も多い変異である.さらに,全血および唾液を用いた,直接PCRとSTH-PASによる非侵襲的なgenotypingを確立した.本法により沖縄県の前庭水管拡大症患者の88%が診断可能である.STH-PAS法による前庭水管拡大症の遺伝子診断法は,遺伝学的背景を考慮し対象遺伝子変異を選択することにより,沖縄県出身者以外の他地域にも適応可能である.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
直接PCRとSTH-PASを用いた前庭水管拡大症の迅速遺伝子診断は,簡便でコンタミネーションのリスクが少なく,電気泳動が不要なため発癌性のある臭化エチジウムが不要なため安全で,かつ短時間で安価に実施可能である.本法による前庭水管拡大症の遺伝子診断は,医療における費用やリスクの軽減に寄与する. また,本法は1本のSTH-PASで最大12 genotypingが可能であり,人種により異なるSLC26A4遺伝子変異の頻度を考慮して検査対象の遺伝子変異を選択することにより,沖縄以外の東アジア圏でも応用が可能である.
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