研究課題/領域番号 |
20K18322
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
岡 愛子 国際医療福祉大学, 医学部, 助教 (40865234)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | アレルギー性鼻炎 / 舌下免疫療法 / プレボテラ属細菌 / IL-10 / マイクロバイオーム / プレボテラ属 |
研究開始時の研究の概要 |
舌下免疫療法はアレルギー性鼻炎に対する根治的治療法である。申請者は最近、舌下免疫療法において治療抗原が最初に反応する因子である唾液に着目し、唾液の免疫制御活性(THP-1細胞からのIL-10産生誘導能:IL-10は代表的な制御性サイトカイン)が治療の有効性に関わることを明らかにした。本研究では唾液成分のなかでもこの免疫制御活性に中心的に関与することが疑われる細菌叢(マイクロバイオーム)に焦点をあて、舌下免疫療法の新しい治療効果予測法を樹立する。さらにIL-10産生誘導能の高い細菌株を唾液より分離・樹立し、舌下免疫療法の有効性を高める新規細菌アジュバントの開発を目指す。
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研究成果の概要 |
日本人のスギ花粉症患者104人の唾液を採取、免疫系細胞に添加して培養し、免疫抑制性サイトカインであるIL-10産生量とマイクロバイオームの組成率を検討した。その結果、IL-10産生量が高い患者、舌下免疫療法(SLIT)の治療効果が高い患者で、唾液中のプレボテラ属の組成率が高いことが判明し、報告した。プレボテラ属の中でも組成率が高く、上記の結果でIL-10産生量とも相関のあったP. melaninogenica種を免疫系細胞に添加したところ、濃度依存的なIL-10産生が確認できた。これらの結果から、この細菌の菌体成分がSLITにおいてアレルギー反応を制御している可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
スギ花粉症患者は年々増加傾向にあり、労働生産性や睡眠の質の低下など社会的負荷となっている。舌下免疫療法はアレルギーの長期寛解が期待できる治療法であるが、治療期間の長さや効果不良の症例が存在するという課題がある。治療効果を高めるアジュバント開発が望まれており、本研究ではプレボテラ属細菌がその候補になることが示された。今後はプレボテラ属細菌の中でも組成率の高いP. melaninogenicaに対象を絞り、IL-10産生誘導能を持つ成分の特定、治療薬開発へとつなげるために実験を継続予定である。
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