研究課題
若手研究
大腸がんや膵臓がんでは、口腔内常在菌などの細菌が腫瘍組織の内部に存在し、抗腫瘍免疫を抑制してがんの進展に関与することが明らかになった。本研究では、頭頸部がんの腫瘍内の細菌叢に着目し、腫瘍組織や転移リンパ節内の細菌叢が、抗腫瘍免疫に与える影響を評価する。本研究の目的は、抗腫瘍免疫を抑制する腫瘍内細菌叢の存在を明らかにすることである。
フルオロウラシル(FU)は葉酸媒介の一炭素代謝を阻害し、抗腫瘍活性を発揮する。葉酸の役割が発がん過程に関与する可能性があるため、診断前の葉酸摂取が導入化学療法(IC)に対する化学療法感受性の不均一性を引き起こす可能性があるという仮説を検討した。局所進行性HNSCCのコホート研究において、診断前の葉酸摂取量とがん生存率の関連性を調査し、FU含有ICと非含有ICの治療法で異なるかどうかを評価した。診断前葉酸摂取量とHNSCCの生存との関連性は、FU含有ICによって大きく異なった。葉酸の状態がHNSCCの一炭素代謝による不均一性を示唆している。
本研究により頭頸部癌の異質性の原因が、それまでの環境要因であることを示す。頭頸部癌の異質性を多方面より評価することで、治療への応用にも応用が期待できる。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件)
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