研究課題/領域番号 |
20K18342
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
浅尾 和伸 大阪大学, 大学院医学系研究科, 寄附講座助教 (80866533)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | microbiome / metagenomic analysis / endophthalmitis / MALT lymphoma / マイクロバイオーム / 細菌叢 / 真菌叢 / 眼内炎 / 結膜MALTリンパ腫 / バイオーム / メタゲノム解析 |
研究開始時の研究の概要 |
眼科領域では眼結膜における固有細菌叢の存在が報告されており、眼表面疾患ではその疾患発症が結膜細菌叢変化に起因する可能性が示唆されている。本研究では、多くの眼表面疾患におけるマイクロバイオームの同定を行い、結膜環境の安定化に必要なマイクロバイオームを同定、疾患治療へと役立てることを目標とする。また、変異した細菌叢に対し健常細菌叢を定着、環境変化を改善させるため、治療指標となりえるサイトカインの同定を行い、マイクロバイオームを介在した眼疾患治療への基盤情報取得を行う。
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研究成果の概要 |
メタゲノム解析を用いて、結膜MALTリンパ腫50眼、健常人50眼の結膜真菌叢を同定した。MALT群では多様性が低下、真菌Malasseziaの増加が見られた。MALT群ではアレルギー結膜炎既往が多く(P=0.034)、涙液ムチン濃度低下が認められた(P=0.0368)。疾患発症に真菌叢変化が関与する可能性がある。 眼感染症疾患では、培養結果陽性の感染性眼内炎6例6眼を対象とし起炎菌同定を行った。同定された起炎菌は細菌5例真菌1例で、全例培養結果と種のレベルまで一致していた。メタゲノム解析は短時間で起炎菌の同定が可能であり、診断及び適切な治療薬を選択する際に有用な手段と考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
メタゲノム解析を用いて眼表面疾患、眼感染症疾患におけるバイオームの同定を行った。疾患発症の原因が明らかではない結膜MALTリンパ腫では真菌叢変化、眼環境の変化を示すことができた。真菌叢変化の同定は治療介入の指標となり、予防治療へと繋がる可能性がある。 緊急疾患である眼感染症疾患である眼内炎において、メタゲノム解析で起炎菌の同定を行ったところ、培養で同定された起炎菌との一致が見られた。この結果は、メタゲノム解析は感染症疾患における起炎菌の同定方法として新たな選択肢となり、引いては適切な抗生剤選択に繋がる可能性を示すことができた。
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