研究課題/領域番号 |
20K18345
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
仁木 昌徳 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (20861082)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 外科 / 細胞・組織 / 生体分子 / 糖尿病 / 臨床 / Cdk5 / ERK / 増殖糖尿病網膜症 |
研究開始時の研究の概要 |
臨床検体として硝子体手術で得られる増殖膜、前房水、硝子体液を用いてCdk5(cyclin-dependent kinase 5)とERK(extracellular signal-regulated kinase)の活性を検索し、増殖糖尿病網膜症におけるVEGF(vascular endothelial growth factor)とPPARγ(peroxisome proliferator-activated receptor gamma)との相関についても調査する。さらに、ラットの培養グリア細胞やヒト血管内皮細胞を高濃度のグルコース下で培養することによるCdk5とERKの活性化についての検索と、高脂肪食で飼育したマウスの網膜から内皮細胞を精製し、マイクロアレイ法によって発現遺伝子を網羅的に解析し、Cdk5やERKを標的とした増殖糖尿病網膜症治療の可能性を探求する。
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研究成果の概要 |
硝子体中のPPARγ、Cdk5、p35濃度は、PDR(増殖糖尿病網膜症)群において対照群よりも有意に高かった。リン酸化ERK濃度も対照群よりも高かったが、有意差はなかった。さらに、増殖膜におけるPPARγ、Cdk5、p35のmRNAの発現は、PDR群において対照群よりも有意に高かった。リン酸化ERKのmRNAの発現は、対照群よりも高かったが、有意差はなかった。 PDR群の増殖膜での免疫染色では、PPARγ、Cdk5、p35の発現の増加が見られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
PPARγ、Cdk5 とその活性化サブユニットであるp35の眼内濃度は、PDR群において有意に増加していた。さらに、増殖膜におけるPPARγ、Cdk5、p35のmRNAの発現は、PDR群において対照群よりも有意に高く、PDR群の増殖膜での免疫染色では、これらの蛋白の発現の増加が見られた。 以上のことから、Cdk5の活性化はPPARγの発現を介した血管新生等のPDRの病因に関与している可能性がある。各因子の相関をさらに研究することにより、Cdk5を介したPPARγのリン酸化の阻害が、PDRの治療のための新しい治療標的になり得ると考える。
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