研究課題/領域番号 |
20K18358
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
林 俊介 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (50837771)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | GVHD / フルオロサイトメトリー / 眼移植片対宿主病 / ドライアイ / PD -1PDL-1経路 / 慢性GVHD / 移植片対宿主病 / PD-1 / PDL1 / 免疫学 |
研究開始時の研究の概要 |
急性GVHDではドナーT細胞のレシピエント組織に対する直接的な免疫反応が主病態として示唆されているが、慢性GVHDの病態や発症機構は多段階的、複合的であり、未だ不明である。また慢性眼GVHDの治療は点眼療法を含めた対症療法が主であり、根本治療は未だ確立していない。涙腺および角結膜の機能不全による重篤なドライアイは眼表面の障害による高度な疼痛や著明な視力低下をきたし、GVHD患者のQOLを著しく下げる。慢性眼GVHDによる眼表面組織の線維化は不可逆的で重篤であるため、新治療法の確立によって慢性GVHDドライアイ発症の予防及び発症初期の病状進行抑制を行う。
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研究成果の概要 |
本研究期間ではcGVHD モデルマウスにおける角膜及び涙腺の病理組織学的検討を行い、血管新生、細胞浸潤を見出した。また重複型GVHD患者の偽膜の病理組織像からCD4陽性T細胞優位の免疫担当細胞浸潤が認められた。GVHDモデルマウスの脾臓をFACSにて解析し、CD4陽性T細胞の80%においてPD-1の発現が認められた。次に涙腺において蛍光免疫染色を行い、PD-1陽性CD4陽性T細胞の浸潤が認められた。このことからGVHD涙腺における上皮細胞にPD-1陽性CD4陽性T細胞とCD153陽性細胞の関与の可能性が考えられた。以上の成果をもとに本疾患の新たな治療標的を探索中である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
慢性GVHDの症例には高度なドライアイや眼表面炎症が合併する。GVHD発症後には酸化ストレス増加や危険シグナル増加などの複合的要因による慢性刺激によって、非感染性の慢性炎症が惹起され遷延化すると考えられる。cGVHDに関連した眼表面のGVHDヒト涙腺においてPD-1/PD-L1経路の関与が考えられたため、PD-1分子、PD-L1分子の局在を検討することで同分子の発現の機序やGVHD病態への関わり、分子メカニズムを追求しようと着想し研究を実施した。根治的な標準治療が存在しない本疾患に対して、PD1PDL1分子が新たな治療標的となる可能性がある。
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