研究課題/領域番号 |
20K18360
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
尾内 宏美 東海大学, 医学部, 講師 (00580135)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 内的酸化ストレス / 角膜内皮細胞減少 / オートファジー / リポファジー / 酸化ストレス / 角膜内皮細胞 / 水疱性角膜症 |
研究開始時の研究の概要 |
角膜内皮細胞は一度障害されると再生せずある限度を超えて少なくなると角膜の透明性が維持できない水疱性角膜症となる。角膜内皮細胞の減少に関し酸化ストレスとの関係や詳細な分子メカニズムについては未だ不明な点が多い。本研究は、内的酸化ストレスに伴う角膜内皮細胞の減少に焦点を当て、その詳細な分子変遷機構を解明し、それを制御するカギ因子を特定することで角膜内皮細胞減少や変性に伴う疾患予防のための研究を推進することを目的とする。内的酸化ストレスによりマイトファジーが誘導されたミトコンドリアと小胞体連関の分子メカニズム変化の解明を中心に、Fuchs角膜内皮ジストロフィーおよび水疱性角膜症の発症機序解明に迫る。
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研究成果の概要 |
内的酸化ストレスを負荷したTet-mev-1マウスの角膜内皮細胞が通常マウスと比べて早期に細胞内脂肪滴を蓄積していることを確認した。さらに若齢のmev-1マウスの角膜内皮細胞では通常マウスと比べてオートファジーが亢進していた。老齢の通常マウスでも脂肪滴が蓄積しmev-1マウスと同等にまでオートファジーが誘導されていた。一方、老齢のTet-mev-1マウスの角膜内皮細胞は膨潤化し、多くのオートファゴソームを蓄積し内部は空砲化していた。このことから、内的酸化ストレスにより蓄積する脂肪滴をオートファジーによって除去することで細胞損傷等を回避し、角膜内皮細胞の減少を抑止していることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、酸化ストレスがより自然に近い状態で加わるTet-mev-1マウスを用いることによって、角膜内皮細胞減少の早期変化の詳細な分子メカニズムを細胞レベルから生体レベルにおいて解析できた。 本研究はこれまでに報告のないリポファジーの誘導と角膜内皮細胞の減少を関連している分子機構を解明するものであり、脂肪酸代謝の制御が角膜内皮細胞の減少に対する新たな治療戦略になることを創造させる成果が期待できる。すなわち、加齢・前房内侵襲・炎症等に伴う水疱性角膜症の治療、およびFuchs角膜内皮ジストロフィーの早期診断マーカーおよび治療法の開発の端緒を得ることが期待できる。
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