研究課題/領域番号 |
20K18362
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
國重 智之 日本医科大学, 医学部, 准教授 (60516045)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 角膜移植 / ACAID / 免疫特権 / VISTA / 免疫抑制性眼内微小環境 |
研究開始時の研究の概要 |
V-domain Ig suppressor of T cell activation(VISTA)は、新しいIgスーパーファミリーの一つとして発見され、免疫応答への関与が示唆されている新しい免疫補助刺激分子と考えられている。VISTAの発現は、脾臓などの造血組織や甲状腺、肺などにあるが、眼局所の発現は明らかになっていない。またVISTAの中和抗体は実験的自己免疫性脳脊髄炎を増悪させるが、眼局所の免疫応答に関する報告はない。 今回、VISTAに関し、世界ではじめて、眼局所における発現、角膜移植免疫応答における役割を解析する。そして、角膜移植の拒絶反応抑制メカニズムを明らかにし、新たな治療法の確立を将来目指すことを目的とした研究を行う。
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研究成果の概要 |
マウス角膜においてVISTA mRNAの発現を認めた。また、マウス角膜移植において、VISTAは、移植成立の必須の分子の一つである可能性が示唆された。また、Anterior chamber-associated immune deviation(ACAID)の誘導においても、VISTAは、必須の分子の一つである可能性が示唆され、この機序において、CD8陽性制御性T細胞(CD8陽性CD103陽性T細胞)の関与の可能性が示唆された。すなわち、角膜に発現するVISTAが、CD8陽性制御性T細胞を介して、ACAID誘導に関与し、角膜移植免疫における免疫特権を維持する必須の分子である可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の研究において、新規分子VISTAの免疫特権への寄与を解明したことは、今後の移植免疫の新たな研究における意義は大きい。近年、注目されている免疫チェックポイント阻害についての研究において、VISTAシグナルも、その阻害と抗腫瘍免疫応答の増強についての研究も国内外でさかんに研究されている。そのVISTAについて、角膜移植免疫におけるメカニズムを解明したことは、VISTAの新たな役割について解明することにつながると考えられる。また、VISTAを強制的に発現させることは免疫特権的な状態を付与して移植片拒絶反応を抑制するための新たな戦略となる可能性がある。
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