研究課題/領域番号 |
20K18366
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター) |
研究代表者 |
潘 洋 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), 分子細胞生物学研究部, 研究員 (20866389)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | Genetic diseases / Mouse models / Ophthalmology / iPS cells / Normal-tension glaucoma / splicing / causative gene / Causative gene / Splicing / 正常眼圧緑内障 / 病因遺伝子 / 発症機序 |
研究開始時の研究の概要 |
正常眼圧緑内障では、主要な発症リスク因子と治療のターゲットである眼圧亢進が顕著にみられないことが臨床課題となっており、原因遺伝子の同定と遺伝子検査、早期予防処置と治療が将来の重要な手段になると予想される。本研究では我々が同定した正常眼圧緑内障家系の新規原因遺伝子Xの野生型と変異型のタンパク質Xにういて、その生理機能を解析し、ノックインマウスを解析して、正常眼圧緑内障が惹起される分子メカニズムを明らかにすることを目的とする。この分子メカニズムの新知見に基づき、分子標的の探索を行い、新規治療法の開発をめざす。
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研究成果の概要 |
本研究は顕性NTG家系について全エクソーム解析を行い、新規原因遺伝子METTL23にc.A83G変異を発見しました。この遺伝子変異について、患者iPS細胞やノックインマウス、ノックアウトマウスを使った実験を行いました。その結果、エクソンのスプライシング異常が生じ、H3R17がメチル化されず、TNF-αとIL-βの発現量が上昇したことによって、正常眼圧緑内障が発症することを明らかにしました。また、ノックインマウスやノックアウトマウスはNTGの病態を再現することが確認されました。今回世界初となるエピジェネティックスの異常による正常眼圧緑内障の発症機序の解明に成功しました。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本では開放隅角緑内障の多くが正常眼圧緑内障(NTG)であることが知られています。本研究は顕性NTG家系について全エクソーム解析を行い、新規原因遺伝子METTL23にc.A83G変異を発見しました。ゲノムDNAやヒストンのメチル化は遺伝子発現を制御しており、これを総称 してエピジェネティックスと呼んでいます。エピジェネティックスと緑内障との関連は長い 間推測されてきましたが、今回世界初となるエピジェネティックスの異常による正常眼圧緑内障の発症機序の解明に成功しました。今回の発見によって、エピジェネティックスと緑内障の関係がさらに明らかにされることが期待されます。
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