研究課題/領域番号 |
20K18379
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
河嶋 瑠美 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (00843616)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 網膜シグナル伝達 / 短波長 / 接着分子 / 網膜内層シナプス / シナプスリモデリング / 高眼圧モデルマウス / 緑内障 |
研究開始時の研究の概要 |
まず発現プロファイルを網羅解析するためNecl-1-EGFPマウスを作成して網膜を単細胞まで分離しフローサイトメーターで濃縮した後にSingle cell analysis により発現プロファイルを作成し、すでに先行研究で報告されているデータベースを基に発現細胞種を網羅的に取得する。同定できた細胞種の特異抗体を用いてタンパク発現レベルでの確認を行う。さらにWT, KOマウス各々において高眼圧負荷モデルを作成し高解像度顕微鏡や広域電子顕微鏡によるシナプス形態変化、網膜電図や二光子顕微鏡による機能変化の比較解析を行う。これによりIPLにおけるシナプス異常とリモデリングを検出する。
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研究実績の概要 |
網膜内接着分子であるNecl-1がマウス網膜においてS、S/M錐体及びOFF型錐体双極細胞に発現していることを免疫組織学的解析、既報のsingle RNAデータのサブ解析にて確認した。さらにOFF型錐体双極細胞の中でも4型の細胞体から樹状突起に局在していることを見出した。さらにノックアウトマウスでは4型OFF型双極細胞の樹状突起が位置異常を起こしていること、生理学的解析として網膜電図において、紫外線刺激OFF経路のシグナル伝達が遅延していること、その伝達遅延がAMPA賦活剤投与によってレスキューすることができたことを示した。つまりNecl-1は短波長を認識する視細胞からOFF型錐体双極細胞へのシナプス形成とシグナル伝達に重要であることが証明できた。さらに、Necl-1は水平細胞の核の位置決定にも関与していることがわかり、マウスの眼球運動制御にも影響していることが示された。我々はこれらの結果をまとめた論文のリバイスを行った。具体的には、OFF型錐体双極細胞の4型以外の1,2,3a,3b型におけるNecl-1の発現と樹状突起の変化を解析した。さらにNecl-1が短波長を認識する経路に関与していることを裏付けるために、Necl-1発現細胞を3次元で認識し網膜全体の双極細胞におけるNecl-1発現双極細胞の割合を解析するソフトを開発し、Necl-1の網膜内での分布を検討した。その結果、腹側に分布していることを示すことができ、これらは短波長を認識する双極細胞にNecl-1が発現していることを裏付ける結果となった。また、Necl-1の局在を可視化することを目的に作成したcreERT-Necl1マウスの繁殖に難渋していたが、試行錯誤を行い復活させた。
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