研究課題/領域番号 |
20K18385
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
日高 貴子 宮崎大学, 医学部, 助教 (00751140)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | PhNR / レチバル / 網膜内層機能 / 緑内障 / 網膜電図 / 電気生理 |
研究開始時の研究の概要 |
日本人の成人の失明原因第1位である緑内障の現在確実な治療法は眼圧下降であるが、 眼圧下降治療に抵抗する症例も多く今後さらなる原因の解明が必要と考えられる。 現在緑内障検査として網膜内層機能を評価する実用的な他覚的検査法は少ない。本研究では電気生理学的手法を用いた他覚的な網膜内層機能検査であるPhotopic negative response (PhNR)を、血流を含めた他検査との関係を解析検討することで新たな緑内障検査として確立されることが期待される。
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研究成果の概要 |
コントロール76眼と正常眼圧緑内障を含めた原発開放隅角緑内障90眼(初期30眼、中後期60眼)に対し侵襲の少ない皮膚電極を用いるレチバル手持ち型網膜電図(ERG)測定装置(LKC Technologies社)を用いPhNRを測定した。PhNRの各パラメーター (BT、PT、W-ratio、72msPhNR、P-ratio)について有用性を検討した。また視野検査、光干渉断層計で測定した網膜神経線維層厚との相関を検討した。結果PhNRは視野や網膜神経線維層厚と有意な相関を示し、初期と中後期ともにBTがもっとも診断能力が高かった。本研究では血流とPhNRに有意な相関は認めなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では緑内障の有無を調べる判別一次関数をPhNRパラメーターの中で最も診断能力が高かったBTで以下のように定量的に求めることができた。BT: 判別式 = 0.505 x BT + 2.017; 正で疾患あり。正解率 = 80.7%。 PhNRの閾値を出した報告はわれわれが調べた限りいまだなく、より定量的に緑内障の有無を調べることが可能となった学術的意義があると考えている。またPhNRをレチバルを用い測定したことにより、小児や緑内障術後の患者に対し簡便に網膜内層機能評価を行う足がかりとなった。将来的に視野検査が困難な症例に対する緑内障の評価法として発展させる社会的意義も見いだせた。
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