研究課題/領域番号 |
20K18395
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
|
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
平形 寿彬 順天堂大学, 医学部, 助教 (20843155)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
|
キーワード | 加齢黄斑変性 / オメガ3脂肪酸 / オメガ6脂肪酸 / 脈絡膜新生血管 / 脂質メディエーター / マクロファージ / ロイコトリエンB4 / オメガ3 / LTB4 / 脂肪酸 |
研究開始時の研究の概要 |
加齢黄斑変性は失明につながる重篤な眼科疾患である。加齢黄斑変性の根治を達成する治療薬はまだ無いが、オメガ3脂肪酸が加齢黄斑変性に対して効果的であるという疫学研究が近年報告されている。本疾患の根治を目指す申請者は、オメガ3脂肪酸の加齢黄斑変性に対する作用メカニズムをレーザー誘導加齢黄斑変性マウスモデルを用いて解明する。
|
研究実績の概要 |
本研究はオメガ3脂肪酸の滲出型加齢黄斑変性に対する効果を検証するものである。野生型マウスに、オメガ6脂肪酸含餌、オメガ3脂肪酸含有餌を与えたのちに、網膜光凝固誘発滲出型加齢黄斑変性マウスモデルを作成し実験を行なっている。2021年、2022年度は、オメガ6脂肪酸含餌、オメガ3脂肪酸含有餌をそれぞれ与えた野生型マウスの網膜中のリン脂質の脂肪酸分子種について質量分析を用いて網羅的定量解析を行なった。 結果として、炎症性脂質メディエーターの由来となるアラキドン酸量がオメガ3脂肪酸食で減少した。そのため、オメガ3脂肪酸食は網膜中の炎症性脂質メディエーター産生を低下させることが示唆された。2023年度は滲出型加齢黄斑変性のオメガ3脂肪酸による抑制効果を見るために脈絡膜新生血管体積を確認した。オメガ3脂肪酸食マウスでは、オメガ6脂肪酸食マウスと比較し脈絡膜新生血管体積は減少傾向を認めた。さらに、もう脈絡膜組織中の炎症性脂質メディエーターであるLTB4の受容体であるBLT1発現量もオメガ3脂肪酸食マウスで減少した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究はオメガ3脂肪酸の滲出型加齢黄斑変性に対する効果を検証するものである。野生型マウスに、オメガ6脂肪酸含餌、オメガ3脂肪酸含有餌を与えたのちに、網膜光凝固誘発滲出型加齢黄斑変性マウスモデルを作成し実験に興じている。2023年度は脈絡膜新生血管体積の比較を行い、オメガ3脂肪酸による脈絡膜新生血管抑制効果が示唆された。しかしながら、再現性の確認のために予定した実験がまだ終了していないため、概ね順調の進行とした。
|
今後の研究の推進方策 |
オメガ3脂肪酸が滲出型加齢黄斑変性の発症に関わると仮定した場合、そのメカニズムの解明を目指す。オメガ3脂肪酸による脈絡膜新生血管発生の抑制メカニズムについて検証する。具体的には、脈絡膜新生血管発生に関わる炎症性サイトカインや、血管増殖因子について発現量やタンパク量を確認する。
|