研究課題/領域番号 |
20K18396
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
小川 俊平 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (70529601)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 拡散強調画像 / MRI / トラクトグラフィー / 量的MRI / NODDI / 網膜疾患 / 緑内障 / 白質 / 網膜神経節細胞 / 脳画像 |
研究開始時の研究の概要 |
近年のMRIを用いた神経画像法の進歩により、疾患による網膜・視神経の障害が、人生体内において障害部より上位の視覚ニューロンおよび視覚中枢の形態や、機能に変化を来すことが明らかとなった。網膜障害によるヒト生体脳の構造と機能の変化は、可逆性であるのか、どの神経部位障害がトリガーであるのか、発生している組織変化はどのようなものなのか、また障害固定の時期やその判定方法などが、今後の網膜局所療法から視覚再建治療への必須情報となる。本研究は、網膜組織障害部位や発症時期の異なる複数の眼疾患症例を対象に、MRI による非侵襲脳計測法を用いて視覚中枢の構造と機能を計測することで、上記の問いに答える。
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研究実績の概要 |
2021年度に、緑内障患者の視路白質微小構築の変化を、新しいMRI技法であるNODDI、量的MRIを用いて評価し、その結果を国内学会(第10回日本視野画像学会) および、眼科国際誌に公表した(Ogawa et al. IOVS 2022)。この研究から結論 として、緑内障の白質変化は、視索と視放線で性状が大きく異り、視放線ではICVFの変化から脱髄よりも軸索障害が主体である可能性が示唆された。 そこで本年度は、dMRIで検出可能な変化は障害発生からいつの段階で発生するのか、また一度検出可能になった際には、治療により改善/回復するのかを疑問として、視覚臨界期に両眼を完全失明した40代男性の頭部MRIデータを取得し、先に報告した緑内障患者の視路白質とその微小構築を比較した。緑内障を有していても視覚入力の残る緑内障群と比較 し、視覚入力を臨界期に完全に消失し、かつ網膜神経節細胞が全損された本例の視路白質は著しく低下したFA値を示した。これらの結果と考察を国際学会で発表した(ARVO2022)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度もCOVID-19の影響により新規のMRI撮像を実施することが出来なかった。 しかし、これまでに撮像して来た網膜疾患患者のMRIのデーター解析方法の検討と更新を行っている。ここで得られる治験は、広く一般化可能な領域も含まれるため、さらなる検証を加えて公表していきたい。 2023年度は本研究の最終年度となるため、これまでのデータをさらに公表していく必要がある。COVID-19の状況から脱しつつあるため、新規のデータ取得を再開していく。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は本研究の最終年度となるため、これまでのデータをさらに公表していく必要がある。COVID-19の状況から脱しつつあるため、新規のデータ取得を再開していく。
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