研究課題/領域番号 |
20K18404
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 公益財団法人東京都医学総合研究所 |
研究代表者 |
北村 裕太 公益財団法人東京都医学総合研究所, 疾患制御研究分野, 研究員 (90868259)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 緑内障 / TrkB / AAV / 細胞死 / 遺伝子治療 / 神経保護 / 神経再生 / TrkBシグナル / 樹状突起 / 軸索再生 / 視神経軸索再生 / 網膜神経節細胞樹状突起の再生 |
研究開始時の研究の概要 |
緑内障は軸索障害に起因する神経細胞死と考えられており、変性した神経細胞や軸索の再生は現治療では困難である。我々は脳由来神経栄養因子(BDNF)の受容体であるTrkBに着目し、恒常的にBDNF-TrkBシグナル伝達を活性化する活性型TrkB(constitutively active TrkB: CA-TrkB)のアデノ随伴ウイルスベクター(AAV)を作成した。視神経傷害モデルマウスの眼球に投与したところ、再生軸索が視中枢に投射し、僅かながら視機能回復を見出している。本研究ではAAV-CA-TrkBが視機能回復を誘導する機序を解明し、緑内障に対する新規遺伝子治療薬を開発することを目指したい。
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研究成果の概要 |
本研究ではBDNF-TrkBシグナルが網膜神経節細胞の生存に与える影響を検討した。TrkB floxマウスにAAV-Creを眼球内投与して、網膜組織中の細胞から内在性のBDNF-TrkBシグナルを消失させたところ、主に網膜神経節細胞の細胞死が誘導されることがわかった。さらに、網膜神経節細胞の多くのサブタイプで細胞死が生じていたが、ipRGCでは比較的細胞死が抑制されていることが判明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これらの結果から、BDNF-TrkBシグナルは平常時においてもRGCでは特に重要な働きを持っており、このシグナルが消失することにより、多くのRGC細胞は生存できなくなることが判明した。したがってTrkBの遺伝子治療などにより、緑内障などにおけるRGC変性の進行を抑制できる可能性がある。
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