研究課題/領域番号 |
20K18405
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
田中 寛 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60850899)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 網膜色素上皮細胞 / ミトコンドリア / エネルギー代謝 / 黄斑円孔 / 細胞形態 / 細胞分化 / 細胞機能 / 細胞代謝 / 硝子体液サイトカイン / 予後予測 |
研究開始時の研究の概要 |
黄斑円孔の病態・ 治療に関する研究は硝子体と感覚網膜に重きが置かれているが、我々はその視点を変え、視細胞の健常性を担保している網膜色素上皮細胞(RPE)の変性と黄斑局所微小環境の悪化が黄斑円孔閉鎖後に残存する視機能の低下を惹起しているという斬新な着想を得た。黄斑円孔におけるRPE の変性は補償光学適用走査型レーザー検眼鏡(AO-SLO)撮影画像を用いて解析、また、硝子体液の網羅的サイトカイン解析を行う。さらに黄斑円孔術後の視力予後症例で優位に濃度変動を認めるサイトカイン群を検証し病態に有意なサイトカインを選抜するとともに、AO-SLO 画像指標 と組み合わせたバイオマーカー創出の礎とする。
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研究成果の概要 |
本研究ではin vitroにおいて網膜色素上皮細胞の分化培地を用いて細胞形態と機能の両者が向上することを示した。また、培養ヒトRPE細胞変性モデルの構築として、ミトコンドリアの電子伝達系を抑制することで細胞分化を抑制できるモデルを構築し、そのモデルよりRPEの分化における細胞形態と機能維持にエネルギー代謝が必須であることを示した。次に、in vivo 家兎黄斑円孔モデルを安定して作成することに成功した。そのモデル作成一月後に円孔部を電子顕微鏡で観察したところ、正常眼に比較し、円孔モデルでは網膜色素上皮細胞の形態異常とミトコンドリア形態の異常が確認され、両者が密接に関与していることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により網膜色素上皮細胞の細胞内エネルギー代謝、具体的にはミトコンドリアの呼吸能をコントロールすることと細胞分化が密接に関連していることが明らかとなり、細胞形態と機能の関連があることも示した。またその結果がin vitroの実験のみならずin vivo実験にても関連していることが示唆され、細胞レベルの基礎研究から疾患モデルとして臨床の疑問を解決するの橋渡しとなる研究であると考えられる。
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