研究課題/領域番号 |
20K18413
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56070:形成外科学関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
眞田 紗代子 愛媛大学, 医学部附属病院, 助教 (60866044)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 血管新生 / ケラチノサイト / 動静脈奇形 / 皮膚悪性腫瘍 / ヒト角化細胞 / 有棘細胞癌 / SPOP / 日光角化症 |
研究開始時の研究の概要 |
動静脈奇形(AVM)は病態の進行に伴い出血や心不全を引き起こす疾患である。血管腫、血管奇形の発症における血管内皮細胞の質的変化に関する細胞生物学的、生化学的な研究の報告はほとんどないのが現状である。血管新生因子sorting nexin 9(SNX9)はAVMの血管内皮細胞においてタンパク質レベルで高発現していることを見出した。コムギ無細胞タンパク質合成系/アルファスクリーン/質的分析を技術基盤としてSNX9の分解を担うUb-E3リガーゼを同定し、SNX9のAVMにおける分解制御機能の解明とSNX9分解促進剤の開発を行う。
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研究成果の概要 |
SNX9と結合するユビキチンリガーゼ複合体の足場タンパク質としてSPOPを同定した。SPOPがヒト角化細胞の細胞分裂周期を制御することが明らかとなり、ヒト不死化角化細胞HaCaTを用いてSPOPのDNA損傷と複製過程における機能解析を行った。SPOPを発現抑制すると、G1期で止まる細胞の割合が増加し、S期の割合が減少した。また、DNAの新規合成が阻害された。さらに複製ライセンシング因子であるCDT1とCDC6の翻訳が阻害されることが分かった。HaCaT細胞におけるSPOPの発現低下はDNA複製異常をもたらすことが示唆された (Sanada, et al., BBRC. 2023)。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
SPOPはHaCaT細胞においてDNA複製開始前段階からライセンス化因子であるCDT1とCDC6のタンパク質発現レベルを翻訳過程で適切に制御することで、DNA複製ストレスを緩和させる機能を発揮している可能性がある。日本版がんゲノムアトラスでは皮膚扁平上皮癌の約30%でSPOP遺伝子のコピー数の減少を認めており、SPOPの機能低下はDNA複製ストレスを増幅することで、発癌感受性の増大を来すことが本研究において示唆された。今後、SPOPが皮膚扁平上皮癌の診断マーカーや治療薬候補になると期待される。
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