研究課題/領域番号 |
20K18430
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56070:形成外科学関連
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研究機関 | 地方独立行政法人神戸市民病院機構神戸市立医療センター中央市民病院(第1診療部、第2診療部、第3診療部 |
研究代表者 |
松添 晴加 地方独立行政法人神戸市民病院機構神戸市立医療センター中央市民病院(第1診療部、第2診療部、第3診療部, 中央市民病院, 副医長 (70814721)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | ケロイド / 肥厚性瘢痕 / 異常知覚 / 組織解析 / 遺伝子発現解析 / 神経原性炎症 |
研究開始時の研究の概要 |
ケロイド・肥厚性瘢痕は、創傷治癒の異常な過程で生じ、赤みと硬結を伴った膨隆が特徴的である。また、制御困難な掻痒や痛み、ピリピリとした異常知覚等の持続的な苦痛を伴う。各種治療(外科的切除、ステロイド貼付剤や局注、トラニラスト内服等)で肉眼的所見が改善しても異常知覚が残存することがしばしばある難治性の疾患であり、未だに病態解明には至っていない。そのため根本的な治療アプローチができず、病態解明が急がれている。本研究では、ケロイド・肥厚性瘢痕の組織内での神経関連タンパクの発現やそれらの組織内分布に関して、組織学的手法や分子生物学的手法を用いて調べることにより病態解明を進め、新しい治療法の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、ケロイド・肥厚性瘢痕組織内での神経線維の分布や神経関連タンパクの発現を検討し、組織内の神経の局在と掻痒や痛みなどの症状との相関を明らかにする事である。 この2年間で、検体提供者へ十分な説明をした上で協力を頂きケロイドおよび正常皮膚の組織確保を行い、ケロイド2検体、正常皮膚2検体についてreal-time PCRによる神経関連タンパク遺伝子の発現解析と免疫組織学的染色による組織解析を施行した。ケロイド組織内においては正常皮膚組織内と比較してPGP9.5の発現が高く、表皮内へ伸展するPGP9.5 陽性神経線維が見られた。このことが、制御困難な異常知覚と関連している可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでのケロイド・肥厚性瘢痕の病態解明に向けた研究は、線維芽細胞様細胞の増殖やアポトーシス、細胞外マトリックスの蓄積や炎症性細胞などの観点から行われており、異常知覚を含めた神経の観点での詳細な報告はない。さらに検体数を増やしケロイド・肥厚性瘢痕組織内における神経関連タンパクの発現や神経局在を検討することでケロイド・肥厚性瘢痕の病態解明の糸口を発見し、いずれは新たな治療法の確立につなげたい。
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