研究課題/領域番号 |
20K18432
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56070:形成外科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
三浦 千絵子 東北大学, 医学系研究科, 助教 (80509240)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 異物反応 / シリコンインプラント / 人工物再建 / BIA-ALCL / 被膜組織 / 乳房再建 / 被膜 / インプラント関連未分化大細胞型リンパ腫 |
研究開始時の研究の概要 |
乳房再建や豊胸におけるシリコン製の人工物は広く普及しているが、近年ブレストインプラント関連未分化大細胞型リンパ腫(BIA-ALCL)がWHOで新たなALCLとして分類され、死亡例も報告されている。BIA-ALCLはシリコンの表面形状で発症数に差があるとされているが発生機序は解明されておらず原因究明が急務である。本研究ではシリコンに対する生体反応に対して動物実験およびin vitro実験にて網羅的に解析を行い、①表面形状の違いによる免疫学的反応・シグナル伝達回路、②慢性炎症遷延とBiofilmとの関連性について検討することをでBIA-ALCLの発生機序、予防および治療法の確立を試みるものである。
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研究成果の概要 |
乳癌患者の乳房再建手術や豊胸手術において主流となっているシリコン製の人工乳房は広く世界 に普及している。しかし人工乳房に関連した合併症として被膜拘縮や近年ではブレストインプラン ト関連未分化大細胞型リンパ腫(BIA-ALCL)が問題となっているが、これらが発生する機序は解 明されておらず、シリコンの表面形状に対する免疫応答の解明は急務である。 申請者は人工乳房に対するマクロファージを中心とした免疫応答にはC型レクチン受容体(CLRs)下流のアダプター分子である CARD9 が関与し、textured typeシリコンにおいて炎症反応が遷延することを明らかとした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ブレストインプラント関連悪性リンパ腫(BIA-ALCL)発生へとつながるメカニズムには過剰な免疫反応やバイオフィルム形成が関わ っているとされているが、表面形状の異なるシリコンがどのようなシグナル伝達経路を介してこのような反応に至るのかを解析した研究は存在しない。 本研究では CARD9を介したシグナル伝達経路に着目し、textured type シリコンを認識する受容体の特定に至れば、BIA-ALCLの発生に起因する炎症遷延化を阻害することによる BIA-ALCLの予防法の確立および生体に安全なシリコンの開発へとつながり、研究の社会的意義は非常に大きい。
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