研究課題/領域番号 |
20K18451
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56070:形成外科学関連
|
研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
山内 誠 近畿大学, 医学部, 講師 (90438060)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 組織再生 / 軟骨培養 / 小耳症 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではスカフォールドの改良を目的としている。これまで我々は,ナノファイバー化した生分解性ポリマーPGAとプロリンと組み合わせて複合型非吸収性スカフォールドとして軟膏再生を行い,播種軟骨細胞の接着効率は著しく向上し、自家移植モデルにおいて良好な軟骨再生を示してきた。しかしながらプロリンでは耳介が持つ複雑な三次元形状・薄さ・しなやかさを長期間維持することは困難であった。そのため、プロリンの代わりに、充分な剛性を持つpoly-ε-caprolactone (PCL) を用い、その有効性を検討する。
|
研究成果の概要 |
耳介形状PCL の表面をナノファイバー化したPGAで被覆した複合型吸収性スカフォールド(nanoPGA / PCL) にヒト軟骨細胞を播種した結果、PGA群と比較して、nanoPGA群で優位に細胞生存率が高値であった。複合型吸収性スカフォールドをエタノール処置により親水性に表面改質し、軟骨基質の産生に及ぼす影響について検討したところ、SOX5は有意に発現亢進を示し、IL-1αの発現は有意に低下した。また、軟骨再生面積比および軟骨被覆率ともに,優位に増加しており、経時的な軟骨基質産生を促進し,耳介形状を長期維持するため足場として適していることが判明した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
小耳症や外傷後の耳介欠損の治療は、現在、自分自身の肋軟骨を採取し、耳介フレームを作成して移植するのが一般的である。しかし、手術侵襲が大きく、手術の難易度が高い点、複数回の手術が必要となる点などが問題点として挙げられる。本件研究により、高生体親和性の耳介形状足場に、耳介軟骨を微細加工しマイクロ軟骨を播種することにより細胞培養を必要としない軟骨再生の技術開発が可能となり、低侵襲で普遍的な治療方法となりうる可能性がある。
|