研究課題/領域番号 |
20K18454
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57010:常態系口腔科学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
飯田 和泉 (渡辺和泉) 新潟大学, 医歯学系, 助教 (80751031)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | GluK3 / 不安 / 行動解析 / カイニン酸型グルタミン酸受容体 / ノックアウトマウス / カイニン酸受容体 / 前頭前野 / 遺伝子改変マウス |
研究開始時の研究の概要 |
不安は我々にとって身近な精神状態であるが、その発現と制御機構はほとんどわかっていない。申請者は、カイニン酸型グルタミン酸受容体の機能解析を行っている中で、抑制性神経細胞のGluK3サブユニットを欠失したマウスで不安が減少することを発見した。GluK3が高発現する前頭前皮質は扁桃体からの不安感情を処理する領域である。そこで本研究は、感情を情報として送り出す扁桃体とその感情から不安を受け取り行動に移す前頭前皮質の神経接続に注目し、前頭前皮質のGluK3陽性抑制性神経細胞こそが不安行動を発現させる原点であるとの仮説を立て、遺伝子操作技術と行動解析を駆使して、マウスを用いた個体レベルの実験で証明する。
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研究成果の概要 |
扁桃体と前頭前皮質のGluK3陽性抑制性神経への神経接続を可視化できる遺伝子改変マウスGluK3tTAマウスを作製し、繁殖させた。一方で、前頭前皮質の抑制性神経細胞にGluK3は発現しないことがわかった。この結果から、当初の予定の前頭前皮質の不安神経回路だけに絞らず、他の領域に解析の幅を広げるべきだと判断した。GluK3KOマウスの不安行動の減少はドーパミン受容体機能異常により起こり、GluK3KOマウスの線条体においてドーパミン受容体の発現量が減少していることを見出した。これらの結果から、GluK3tTAマウスを用いて、線条体を標的とした不安神経回路を探索する見通しがたった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
不安研究において、GluK3KOマウスは抗不安モデルマウスとして有用である。また現行の不安モデルマウスは薬理学的に作製可能だが、抗不安モデルマウスはほとんど存在しない。これまで不安モデルマウスによって同定された不安に関わる神経回路が多数報告されているが、脳領域間の神経回路を同定したものが多く、その神経回路特異的に発現する分子の報告はまだない。本研究では、特定の分子を発現する不安神経回路の同定に加え、その神経回路の活動の操作まで可能であり、これまでの研究から一線を画している。GluK3が制御する不安神経回路が同定されれば、GluK3を標的とした創薬研究への波及的効果が見込める。
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