研究課題/領域番号 |
20K18457
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57010:常態系口腔科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
高井 信吾 九州大学, 歯学研究院, 助教 (30760475)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 味細胞 / オルガノイド / FACS / RNAシークエンス / 味蕾 / トランスクリプトーム |
研究開始時の研究の概要 |
現在、様々な生活習慣病、特に肥満や糖尿病が世界的に深刻な問題となっている。これらの疾病の根本的な予防と治療には、食事を含む生活習慣への介入が不可欠であり、それには我々の摂食行動が味覚を通じてどのように形成されるかを理解する必要がある。我々の口腔内に存在する味蕾は、表面側に発現する味受容体で味物質を感知し、基底側に接続する神経にその情報を伝達することで、多様な味情報を中枢へと伝えている。この味蕾が持つ極性は、味覚器の機能を理解する上で極めて重要であるが、その形成メカニズムには不明な点が多い。本研究では、味細胞培養系である味蕾オルガノイドを手掛かりに、味細胞の極性形成メカニズムの解明を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は、味蕾幹細胞の3次元培養技術である「味蕾オルガノイド」、および味細胞のトランスクリプトーム解析を軸に、味細胞の極性や性質を決定する要因を探索するものである。味蕾オルガノイドコロニー中で観察される味細胞の頂端部には微絨毛のマーカー分子であるvillinが発現していることがわかった。これはコロニー中で味細胞は細胞極性(味孔側と基底膜側)を獲得していることを示唆する。また、味細胞のトランスクリプトーム解析においては、FACSとBD Rhapsodyを組み合わせたトランスクリプトーム解析により、茸状乳頭と有郭乳頭の2型味細胞における特異的な発現遺伝子を見出し、学術論文として発表した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、味細胞の3次元培養系における味細胞の配向と、味細胞の遺伝子発現に着目し実験を開始した。その結果、3次元培養コロニー中の成熟味細胞の頂端側にはvillinが発現しており、細胞がコロニー内部に埋没していても味細胞は極性を獲得していることがわかった。また、個々の味細胞の性質を探索するために、単一トランスクリプトーム解析を試みた結果、世界に先駆けて舌前方部に存在する茸状乳頭に含まれる特定の味細胞群の収集とその遺伝子発現の網羅解析に成功した。本研究は味細胞培養技術の改善、および味細胞の性質を決定する遺伝子発現に関する基礎的知識を提供する。
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