研究課題/領域番号 |
20K18458
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57010:常態系口腔科学関連
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
岩田 周介 九州大学, 歯学研究院, 助教 (60780062)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | アミノ酸トランスポーター / 味覚 / 神経 / うま味 / 甘味 / ASCT / ナトリウム依存性中性アミノ酸トランスポーター / アミノ酸輸送体 / 味覚受容機構 / KATPチャネル |
研究開始時の研究の概要 |
アミノ酸は、生体を形作るタンパク質の構成成分として必要不可欠な物質であり、現時点で、うま味受容体T1R1/T1R3が唯一のアミノ酸味覚受容体として報告されている。しかしながら、このうま味受容体が外環境からのアミノ酸摂取を担う唯一の受容体とは考えにくいことが過去の報告から予想されていた。予備実験の結果、本来腸管で機能するアミノ酸輸送体が、口腔におけるアミノ酸の味覚受容にも関与している可能性を見出した。さらに、この経路はメタボリックセンサーKATPチャネルにより制御を受けるカロリー受容系シグナル経路としても機能する可能性が示唆された。本研究では、この新規アミノ酸受容体と情報伝達機構の解明を目指す。
|
研究成果の概要 |
RT-PCR及び、qPCRの結果、本来腸管で機能する複数のアミノ酸輸送体が、マウス舌前方の味覚受容に関与する茸状乳頭、および舌後方における味覚受容に関与する有郭乳頭にも発現していることが明らかになった。野生型マウスを用いたマウス鼓索神経(舌前方部を支配)応答解析の結果、マウス舌のアミノ酸輸送体阻害薬前処理により、輸送体と親和性の高いアミノ酸に得意的な応答の減少が認められた。また10mM NaClの添加により、これらのアミノ酸では応答の増強が認められ、阻害薬処理により消失したことから、Na共輸送体の関与が示唆された。さらに舌咽神経(舌後方部)、うま味受容体欠損マウスでも同様の結果が認められた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アミノ酸は生体を形作るタンパク質の構成成分として必要不可欠な物質であり、現時点でうま味受容体T1R1/T1R3が唯一のアミノ酸の味覚受容体として報告されている。その一方で、うま味情報はアミノ酸要求を生じる情報として重要性は低く、T1R1/T1R3の必須アミノ酸に対する親和性は低いことが報告されており、未知の味覚受容体が関与している可能性が示唆されていた。本研究により、アミノ酸輸送体が新規のアミノ酸味覚受容体として機能しており、さらに我々が先に報告した糖輸送体と同様にメタボリックセンサーKATPチャネルを介したカロリー受容系シグナル経路として機能している可能性が示唆された。
|