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歯根嚢胞モデルマウスの確立と治療法開発に向けた発症・成長メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K18462
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分57010:常態系口腔科学関連
研究機関岩手医科大学

研究代表者

熊上 深香 (坂野深香)  岩手医科大学, 歯学部, 常任研究員 (30710826)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
研究課題ステータス 完了 (2022年度)
配分額 *注記
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
キーワードヘルトヴィッヒ上皮鞘 / マラッセ上皮遺残 / 細胞遊走 / 歯根形成 / 上皮間葉転換 / partial EMT / Rhoシグナル / 歯根嚢胞 / マラッセの上皮遺残 / 歯原性嚢胞 / 細胞・組織 / 歯学 / 歯の発生 / 歯根膿疱
研究開始時の研究の概要

歯根嚢胞は,根尖の慢性炎症に起因したヘルトビッヒ上皮鞘(HERS)あるいはマラッセ残存上皮の増殖による歯原性嚢胞と考えられており,根管治療終了して数年経過した後に発症することから歯科医師を悩ませている。歯根嚢胞が発症すると再度の感染根管処置や根尖部切除による嚢胞摘出術を施さねばならない。このように,外科的に除去する以外は根治的治療法がなく,嚢胞の消退や発症を予防するための薬剤は存在しない。本研究は,その根本的な実験系の確立を目指すとともに発生学的な視点から嚢胞細胞の特性に主眼をあてることによって,嚢胞研究のブレイクスルーを導き出すことができる研究と考えている。

研究成果の概要

歯根嚢胞の上皮細胞は,ヘルトビッヒ上皮鞘(HERS)あるいはマラッセ残存上皮(ERM)に由来すると考えられている。SemaphorinとTGF-βによるRhoシグナルを介したHERSの上皮間葉転換(EMT)とERM発生機構とさらに嚢胞発症との関連を調べた。その結果,Semaphorinは上皮性維持に働き,一方TGF-βはpartial EMTを誘導してERMの発生に働く。また移植実験ではHERSのEMTによって嚢胞形成や石灰化が誘因された。HERSの上記シグナルによるEMT制御機構の破綻が,歯根嚢胞・腫瘍の発生の一因にあると考えられた。

研究成果の学術的意義や社会的意義

歯根嚢胞は,慢性炎症に起因するヘルトビッヒ上皮鞘(HERS)あるいはマラッセ残存上皮の増殖が原因と考えられており,根管治療が終了して数年後に発症することから歯科医師を悩ませる疾患である。歯根嚢胞が発症すると再度の感染根管処置や歯根端切除による嚢胞摘出術を施さねばならないが,嚢胞の消退や発症を予防するための薬剤は存在しない。本研究により,HERSの動態決定にはSemaphorinとTGF-βシグナルの下流のRhoによるEMT制御が重要であり,歯根嚢胞発症はこのシグナルの制御機構の破綻が原因だと考えられた。将来的にこれらのシグナルに対する分子標的薬が開発されれば,治療法の開発につながると思われる。

報告書

(4件)
  • 2022 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Semaphorin - RhoA signaling regulates HERS maintenance by acting against TGF - β - induced EMT2022

    • 著者名/発表者名
      Marii Azumane Shojiro Ikezaki Keishi Otsu Mika Kumakami-Sakano Haruno Arai Hiroyuki Yamada Paivi Kettunen Hidemitsu Harada
    • 雑誌名

      Journal of periodontal research

      巻: 58 号: 1 ページ: 184-194

    • DOI

      10.1111/jre.13080

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] セマフォリンシグナルは,上皮間葉転換を抑制することでHertwig上皮鞘を維持している2022

    • 著者名/発表者名
      東根まりい,池崎晶二郎,熊上深香,稲葉陽,荒井春乃,山田浩之, 大津圭史, 原田英光
    • 学会等名
      第127回日本解剖学会総会・全国学術集会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-01-30  

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