研究課題/領域番号 |
20K18467
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57010:常態系口腔科学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
菊田 純 日本大学, 松戸歯学部, 専修医 (10759632)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 歯根吸収 / 歯根膜細胞 / 矯正力 / TGF-βシグナル / Hedgehogシグナル / Hedgehogシグナル伝達 / SHH / RANKL / IL-6 / 矯正治療 / Notchシグナル / Wntシグナル / 歯学 / 歯科矯正学 |
研究開始時の研究の概要 |
歯根膜線維芽細胞と破骨前駆細胞におけるシグナル経路間のクロストークに焦点を当て、歯根吸収時の各シグナル伝達の発現について検討する。本研究によって、矯正治療中の歯根吸収発生時のシグナル伝達経路が解明できれば、矯正治療中に歯根吸収が発生しても、そのシグナル経路を遮断することで歯根吸収の増悪を抑制できることが期待でき、歯根吸収の抑制や矯正治療前の歯根吸収発生リスクを回避する一助となると考える。
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研究成果の概要 |
In vivoにおいて矯正力を加えた結果、圧迫側歯根膜にはTGF-β1、SHH、RANKL、IL-6陽性細胞の発現を認めた。 In vitroではcompression force(CF)及びHedgehogシグナル阻害剤を加えたhPDL cellsにおいて、CF4g群ではSHH、RANKL、IL-6の遺伝子発現の増大を認めた。CF1g群、CF4g+阻害剤群ではCF4g群と比較し、RANKL及びIL-6の遺伝子発現の減少が認められた。 以上のことから、矯正学的歯の移動時における歯根吸収にTGF-βシグナル伝達及びHedgehogシグナル伝達が関与している可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果から、歯根吸収の発生には歯根膜における炎症性サイトカインの発現が関与していること、TGF-βとHedgehogシグナル伝達が炎症性サイトカインの発現を制御していることが明らかとなり、矯正学的歯の移動による歯根吸収の発生について新たな知見が得られた。 また以前の研究結果より、NotchシグナルやWntシグナルなどの骨代謝関連シグナルのクロストークが炎症性サイトカインの発現に関与していることが示唆されており、各シグナルの制御が歯根吸収の抑制に有効であることが証明できれば、将来的に歯根吸収の増悪に対する抑制薬を作製することが期待でき、歯科矯正臨床の今後一層の発展が望めるものとなった。
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