研究課題/領域番号 |
20K18477
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57020:病態系口腔科学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
安藤 俊範 広島大学, 病院(歯), 助教 (40754552)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | YAP / Hippo経路 / AXL / EGFR / 口腔扁平上皮癌 / 頭頸部扁平上皮癌 / 肺腺癌 / EGFR阻害薬耐性 / 受容体型チロシンキナーゼ / チロシンキナーゼ型受容体 / Hippo pathway / 頭頸部癌 / チロシンキナーゼ |
研究開始時の研究の概要 |
頭頸部に発生する癌では、Hippo経路の下流であるYAP/TAZという癌遺伝子が異常に活性化しており、腫瘍細胞の増殖能を亢進している。しかし、頭頸部癌でYAP/TAZが異常に活性化している詳細な機構は明らかになっていない。本研究では、YAP/TAZの活性化を促す受容体型チロシンキナーゼを同定することで、頭頸部癌の新たな分子標的薬の可能性を示すことを目的として研究を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では,頭頸部扁平上皮癌においてYAP活性化を導く新たな受容体型チロシンキナーゼ(RTK)の同定と機能を解明するとともに,EGFR阻害薬耐性獲得を防ぐ治療への応用の可能性を示すことを目的とした.TCGAおよびCCLEのデータを用いてエンリッチメント解析を行いAXLを同定した.AXL高発現細胞株でAXL阻害薬を作用させると、YAPのリン酸化および増殖関連遺伝子の発現低下が見られた。EGFRとAXLはヘテロ二量体を形成しており、AXLの発現抑制はEGFR不活性化させた。AXL阻害薬とEGFR阻害薬は相乗的に増殖を抑制した。将来的なEGFR阻害薬とAXL阻害薬の併用治療が示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
頭頸部扁平上皮癌(HNSCC)で遺伝子増幅・過剰発現、あるいは肺腺癌(LUAC)で活性化変異しているEGFRが、がん遺伝子のYAPを活性化して増殖を促進することを以前見出していた。しかしEGFR阻害薬単剤では再発や耐性が問題となっており、別の遺伝子によるYAP再活性化が関与する可能性が示唆されていた。本研究の成果は、AXLによるYAP活性化およびEGFR阻害薬耐性を付与する機構を解明することで,EGFR阻害薬の耐性を解除するためにAXL阻害薬を併用する新たな治療法の可能性を見出した.将来的にHNSCCおよびLUACを示す患者の治療効果を改善し,生命予後の延長をもたらす点で臨床的にも重要である.
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