研究課題/領域番号 |
20K18479
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57020:病態系口腔科学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
大塚 邦紘 徳島大学, ポストLEDフォトニクス研究所, 助教 (90847865)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | シェーグレン症候群 / 自己免疫疾患 / CD4陽性T細胞 / 唾液腺 / 臓器特異性 / 疾患特異性 / シングルセルRNAシーケンス解析 / シングルセルRNAシークエンス解析 |
研究開始時の研究の概要 |
シェーグレン症候群は、唾液腺などの外分泌腺を標的とする自己免疫疾患であり、指定難病の1つである。原因として、加齢や性ホルモンの変化に伴う全身的な免疫異常によって唾液腺に免疫細胞が浸潤し、唾液腺の破壊に関与することが知られている。しかし、免疫細胞が持つ多様で変化しつづける性格が故に、自己免疫疾患での細胞動態については明らかではなかった。本研究では、シングルセルRNAシークエンス解析により免疫細胞の多様な変化を遺伝子情報として捉え、細分化することで、自己免疫疾患における免疫細胞のダイナミックに変化する動態を詳細に解析し、病原性細胞の特定やその発生メカニズムを明らかにする。
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研究成果の概要 |
シェーグレン症候群 (SS) は唾液腺および涙腺を主な標的とする自己免疫疾患である。我々はSSモデルマウスを樹立し、シングルセルRNAシーケンス解析を実施した。その結果、SSモデルマウスの唾液腺では、コントロールマウスではみられないユニークなCD4陽性T細胞の集団を見出した。この細胞集団は炎症反応を誘導する分子を発現しており、それに対する中和抗体をSSモデルマウスに投与することで、病態を改善することができた。また、その受容体の発現も唾液腺で増加することから、唾液腺局所で病態形成に寄与することが示された。本研究によって、SSの新たな発症機序の解明と新規診断マーカー・治療戦略の確立が期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々が見出したSS特異的なCD4陽性T細胞は、SS病態でどのように関与しているかについて、これまでに報告がない。そのため、新規の診断マーカーや治療標的の確立のために非常に重要な細胞集団であると推察される。また、我々の想定している発症機序は、唾液腺局所で生じる現象であり、この機序を阻害することは全身的な影響を最小限にしながら、SSの発症を抑制できるため、低侵襲な治療法の開発が期待される。
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