研究課題/領域番号 |
20K18480
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57020:病態系口腔科学関連
|
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
常松 貴明 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 助教 (70726752)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
|
キーワード | 相同組換え / 頭頸部癌 / 脱ユビキチン化 / 頭頸部扁平上皮癌 / シスプラチン / ユビキチン / 脱ユビキチン化酵素 / タンパク分解 |
研究開始時の研究の概要 |
頭頸部扁平上皮癌は、他の癌で用いられているような有効な分子標的薬はもちろん分子標的となり得る分子の同定も未だ困難な状況である。そこで従来の化学療法に用いられている従来の抗癌剤の作用を増強させることを念頭に、シスプラチンなどのDNAクロスリンクを誘導する抗癌剤の感受性を決定づける相同組み換え修復機構に着目する。本研究では相同組換えに関与すると考えられる脱ユビキチン化酵素 Ubiquitin Specific Protease 26 (USP26)に着目し、癌におけるその働きや分子機序を同定することを目的とし、脱ユビキチン化酵素USP26を標的とした新規の頭頸部癌治療戦略の分子基盤を確立する。
|
研究成果の概要 |
頭頸部扁平上皮癌はQOLの著しい低下を引き起こすため、審美的・機能的損失を軽減する治療法の開発は重要な課題であるが、有効な分子標的は未だ同定されていない。そこで、既に化学療法に用いられている従来の抗がん剤の作用を増強させることを念頭に、シスプラチンなどのDNAクロスリンクを誘導する抗がん剤の感受性を決定づける相同組換え修復機構に着目して研究を実施した。脱ユビキチン化酵素Ubiquitin Specific Protease 26 (USP26)の発現抑制により、相同組換え効率の著しい低下とシスプラチン感受性の増強がみられ、既存薬を用いた頭頸部扁平上皮癌の新たな治療戦略となりうると考えられた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で着目する相同組換え修復機構の遺伝子変異による機能不全は乳がんや前立腺がんなどのホルモン依存性がんでよく知られており、シスプラチンなどのDNAクロスリンクを誘導する抗がん剤が奏功することが注目されている。しかしながら、シスプラチンを化学療法として用いる頭頸部がんでは、これらの遺伝子変異はなく、その副作用から治療中止となることが多い。本研究で同定した脱ユビキチン化酵素USP26を阻害することで、相同組換え修復機構の機能不全を誘導し、シスプラチンを頭頸部がんに奏功させることができる可能性や投与濃度を下げることができる可能性が示されたことから、臨床へのフィードバックが期待される。
|