研究課題/領域番号 |
20K18481
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57020:病態系口腔科学関連
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
多田 彩乃 香川大学, 医学部, 助教 (80779463)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | Fusobacterium nucleatum / バイオフィルム / 共凝集 / F. nucleatum |
研究開始時の研究の概要 |
歯周病は、プラークの蓄積による細菌感染が主な原因であり、細菌および細菌が産生する炎症性物質による歯肉炎症や歯槽骨の破壊などを特徴とする口腔疾患である。Fusobacterium nucleatum は他の口腔内細菌と共凝集し、強固で複雑な口腔バイオフィルムを形成する。本菌種がどのように他の口腔内細菌を認識し、自己の凝集能を制御しているのか、そのメカニズムは解明されていない。本研究では、F.nucleatum の凝集能増強物質を同定し、F.nucleatum がどのように他の口腔内細菌を認識し、どのようなシグナル伝達経路を介して自己の凝集能を制御しているのかを明らかにする。
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研究成果の概要 |
F. nucleatumは他の口腔内細菌と共凝集し、強固で複雑な口腔バイオフィルムを形成する。A. naeslundiiの培養上清によるF. nucleatumの遺伝子発現変化に注目し、共凝集シグナル分子を抽出した結果、D-fructose代謝関連遺伝子の発現上昇が認められた。D-fructose含有培地でF. nucleatumを培養すると、菌の増殖とバイオフィルム形成が促進し、歯肉上皮細胞であるCa9-22細胞への付着性が増加した。以上の結果より、栄養素等の外的環境の変化に対するF. nucleatumの適応が歯周病細菌の細胞付着性や病原性と密接に関連していると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
歯周病と全身疾患との関連について、糖尿病や心疾患、誤嚥性肺炎、早産との関連性が明らかになっている。成人の70-80%が歯周病に罹患しており、残存歯数の増加に伴う高齢者での歯周病の増加も問題となっている。健康寿命の延伸が喫緊の課題であるわが国において、生涯にわたる歯周病予防は極めて重要である。F. nucleatumは歯周病関連細菌として知られており、他の口腔細菌や歯周病原細菌と共凝集する性質を持つ。この共凝集活性が多種多様な細菌による複雑なバイオフィルム形成を可能にし、プラーク形成に重要な役割を果たしている。このような共凝集因子の同定は新たな歯周病予防法の開発に多大な情報を与えるものである。
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