研究課題/領域番号 |
20K18483
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57020:病態系口腔科学関連
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
山本 晃士 宮崎大学, 医学部, 医員 (50776953)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 口腔癌 / OPMD / セリンプロテアーゼ / HAI / prostasin / matriptase / VEGFC / 口腔扁平上皮癌 / HAI-1 / HAI-2 / 口腔潜在性悪性疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
HGF activator inhibitors (HAIs) は細胞周囲微小環境でのセリンプロテアーゼ活性制御において重要な役割を有している細胞膜結合型セリンプロテアーゼインヒビターで、これまでにHAI-1(Spint1)とHAI-2(Spint2)が同定されている。近年、HAIsの機能破綻による標的プロテアーゼの活性異常ががんの進展や炎症など様々な病態に結び付くことが報告されているが、その機序についての検討は不十分である。本研究では、口腔粘膜での発がん過程におけるHAIsや細胞膜結合型セリンプロテアーゼの機能を詳細に解析し、新たな膜型プロテアーゼ活性制御機構の発見や発がん機構を解明したい。
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研究成果の概要 |
口腔がん発現は、口腔白板症や紅斑症、扁平苔癬などの口腔潜在性悪性疾患 (oral potentially malignant disorders; OPMD)を経由する複雑で多段階のプロセスである。本研究では、HAI(HGF activator inhibitor)やHAIが制御するとされている標的分子を正常粘膜とOPMDで確認・評価することで、OPMDの病理診断における新たな有用なマーカーを探索することを目的とした。 その結果、prostasin発現は正常上皮と比較しOPMDや浸潤癌において低下していた。また、その低下は上皮間葉転換と関連した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
口腔癌においてprostasinががん抑制因子として機能することを初めて報告した。また、口腔軟細胞におけるprostasinの喪失は、上皮間葉転換を引き起こすことで腫瘍の浸潤性獲得に寄与していることが示唆された。免疫組織学的な検討では正常口腔粘膜上皮の染色性と比較し、上皮異形成ではprostasinの発現が低下しており、prostasinが口腔上皮の腫瘍性進行の病理診断マーカーとして役立つ可能性がある。
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