研究課題/領域番号 |
20K18491
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57020:病態系口腔科学関連
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研究機関 | 公益財団法人がん研究会 |
研究代表者 |
大本 晃弘 公益財団法人がん研究会, 有明病院 総合腫瘍科, 医員 (50751632)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 若年発症舌がん / 再発メカニズム / TP53変異 / 次世代シーケンス解析 / 若年発症舌癌 / 遺伝学的背景 / 再発メカニズムの解明 / 遺伝子解析 |
研究開始時の研究の概要 |
口腔がんの一部は喫煙歴がなくヒトパピローマウイルス非感染の若年者に好発し、他の頭頸部がんとは異なる特有な遺伝学的背景をもつ集団である可能性が示唆されている。しかしながらこの点に関する検討は世界的にほとんど行われていない。申請者らは、口腔がんと診断された40歳未満の若年症例を対象にして、腫瘍組織サンプルを用いて次世代シーケンサーによる全エクソン解析を計画している。頭頸部がんに特徴的な既知の体細胞遺伝子変異を有する症例の割合を明らかにすると共に、新規の遺伝子異常が存在するかを探索する。若年性口腔がんの発症メカニズムと共に、新規薬剤の治療標的となりうる症例の割合が明らかとなることが期待される。
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研究成果の概要 |
40歳未満で発症した舌がん患者107例を抽出し、臨床的特徴ならびに予後に関する解析を行った。106例が治癒を目指した切除を受け、そのうち33例(31%)が再発をきたした(局所再発:25例、遠隔再発:8例)。次に再発をきたした16例に関して、初発時・再発時の腫瘍組織ペア検体を用いてDNA抽出を行い、次世代シーケンス解析(全エクソーム解析)を行った。16例のうち11例においては、初発、再発のいずれかの標本でTP53をはじめとしたドライバー遺伝子における変異が同定された。7例においてはペア検体で同一の遺伝子変異が検出された。5例では初発時のドライバー変異の消失、再発時の新たな変異の獲得を認めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
舌がんの一部は喫煙歴がなくヒトパピローマウイルス非感染の若年者に発症し、他の頭頸部がんとは異なる特有な生物学的特徴をもつ集団である可能性が示唆されている。これまでの若年発症舌がんを対象にしたゲノム解析では、非若年舌がんと概ね同様の遺伝学的背景をもつことが報告されている。その一方で、若年発症舌がんの再発に関連する遺伝子異常についてはこれまで明らかとなっていない。初発時・再発時の腫瘍組織ペア検体を用いた本ゲノム解析は、将来的な若年発症舌がんの再発メカニズムの全体像を明らかにする上で、また再発腫瘍に対する新規治療開発の上で重要な知見となると考える。
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