研究課題/領域番号 |
20K18492
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57020:病態系口腔科学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
平山 悟 新潟大学, 医歯学系, 助教 (70778555)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | メンブレンベシクル / 歯周病原細菌 / Porphyromonas gingivalis / アルツハイマー病 / グリシン / 血液脳関門 / 歯周病 |
研究開始時の研究の概要 |
アルツハイマー病は認知症の原因として最も高い割合を占め、認知障害を特徴とする疾患であるが、その発症に歯周病原細菌Porphyromonas gingivalisの感染が関与する可能性が示唆されている。細菌が放出するメンブレンベシクルは、種々の細胞構成要素や病原因子を含有しており、それらを宿主へ伝達する機能がある。本研究では、P. gingivalisのメンブレンベシクルが、①マウスやヒトの脳細胞にどのような影響を及ぼすのか、②血液脳関門を通過するのか、③マウスにどのような影響を及ぼすのかを検討し、アルツハイマー病を発症させる原因となる可能性について考える。
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研究成果の概要 |
アルツハイマー病の発症に歯周病原細菌Porphyromonas gingivalisのメンブレンベシクルが関与する可能性について検討することを目的に,P. gingivalisベシクルを調製し,血液脳関門モデルを用いたin vitro試験に供した.また,研究を効率的に進行させるため,細菌ベシクル産生量が増大する条件を検討した.大腸菌をモデルとして培養時にグリシンを添加すると,ベシクル収量は顕著に増大した.非誘導ベシクルと比較すると,エンドトキシン活性が減少したが,同等の免疫誘導活性を保持していた.グリシンによる誘導はAcinetobacter baumanniiにおいても有効だった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アルツハイマー病は発症の原因が特定されておらず,認知症を根治できる薬物療法も存在しない.したがって治療が困難であるため,アルツハイマー病の予防や進行を遅らせることは極めて重要である.したがって,Porphyromonas gingivalisとアルツハイマー病との関連性を明らかにできれば,アルツハイマー病の発症メカニズムの理解や予防に貢献できる.また,グリシンによる細菌のメンブレンベシクル産生誘導法は,感染症をはじめとしてメンブレンベシクルが関連する様々な研究の進展に役立てられ,アジュバントやワクチン開発等の幅広い分野への応用展開も期待することができる.
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