研究課題/領域番号 |
20K18497
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
三上 理沙子 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 助教 (30822548)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 歯周病 / 慢性腎臓病 / 人工透析 / 糖尿病 |
研究開始時の研究の概要 |
慢性腎臓病は重症化すると人工透析を余儀なくされ、心血管疾患発症の大きなリスクとなる。近年、慢性腎臓病と歯周病との関連が指摘され、疾患進行の因果関係の予測が報告されているものの、メカニズムの解明はなされていない。 本研究ではまず透析療法を受けている慢性腎臓病患者における全身状態と歯周病の関連性について横断的に調査し、さらに糖尿病腎症モデルマウスを用いた動物実験を行い、関連のメカニズムを明らかにすることである。 本研究成果は、慢性腎臓病の末期腎不全への重症化予防の一助となる可能性があり、医歯学臨床応用への発展、医療費削減などの波及効果にもつながる。
|
研究成果の概要 |
慢性腎臓病は重症化すると人工透析を余儀なくされ、Quality of Lifeが著しく低下するだけでなく心血管疾患発症や感染症による死亡の大きなリスクとなる。近年、慢性腎臓病と歯周病の関連が指摘されつつあるが、その詳細は未だ明らかでない。 本研究では、維持透析外来に通院中の患者を対象としたコホートにおいて、歯周病原細菌と血清の炎症性マーカーに有意な相関を認めることや、糖尿病を併発する患者では歯周病が有意に重度であること、炎症状態と低栄養を併発するMIA症候群に歯周炎が関与すること、口腔内の衛生状態が生命予後に影響を与えることなどを示した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、人工透析を必要とする末期腎不全患者に歯周病が与える影響について検討を行った。これまで歯周病と腎臓病の関連はいくつか報告があるものの、国内での報告は少ないためその学術的意義は大きい。また、本研究により歯周病は人工透析患者の炎症状態や低栄養などに影響を与えること、また口腔衛生状態が生命予後に影響を与える可能性を示した。これらのことから、歯周病治療を含む歯科治療介入が人工透析患者の予後を改善する可能性が示唆された。今後さらなる検証が必要ではあるが、歯科治療による全身の健康への寄与を示唆するデータとなっており、社会的な意義は大きい。
|