研究課題/領域番号 |
20K18503
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
原 実生 新潟大学, 医歯学総合研究科, 助教 (60848266)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 歯肉上皮バリア / ANGPTL4 / 歯周炎 / 上皮系バリアシステム / 歯牙結紮歯周炎モデル / 創傷治癒 / 歯周病 / 歯周炎治療薬 |
研究開始時の研究の概要 |
歯肉を構成する上皮細胞と線維芽細胞は、外来病原因子に対する物理的バリアとして、生体防御の最前線で機能する。上皮系バリアシステムの破綻による外来病原因子の宿主内への断続的な流入は、歯周組織の炎症を慢性化させることで歯周炎の病態形成に関与する。アンジオポエチン様因子ファミリーのひとつであるANGPTL4は、血管新生能を有することに加え、上皮細胞や線維芽細胞の増殖・遊走に関わることが報告されており、炎症局所における治癒環境を整える因子として注目されている。本研究の目的は、歯周組織の上皮系細胞におけるANGPTL4の局所環境制御作用を明らかにし、抗歯周炎薬開発に向けての基礎的研究基盤の構築を目指す。
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研究成果の概要 |
上皮系細胞で構築されるバリアシステムは外来因子に対する物理的バリアとして機能し、生体の恒常性維持を担っており、その破綻は感染症や炎症性疾患の発症に関与する。ANGPTL4は障害組織の修復を促進するための局所的な環境を整える「局所環境制御因子」としての役割が注目されているが、口腔の上皮バリアにおける報告はほとんどない。 ANGPTL4は上皮バリアにおいて恒常的な発現が認められ炎症誘導により発現が低下した。ANGPTL4処置により物理的バリア機能を強化する傾向が認められ、歯周炎の病態形成に関与する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アンジオポエチン様因子は、血管新生作用、リンパ組織の新生能を有し、組織リモデリング因子として機能するのみならず、障害組織の修復を促進するための局所的な環境を整える「局所環境制御因子」としての機能が近年注目されている。しかしこの機能に着目して、歯周炎の制御を狙う検討はこれまでに報告がなく、口腔疾患の理解を深める学術的な意味を持つ。またそのメカニズムが明らかとなれば、歯周炎のみならず全身の上皮系バリア機構が関連する炎症性腸疾患やアトピー性皮膚炎などの病態解明や新しい治療法の開発につながる可能性をもち、その社会的意義は大きい。
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