研究課題/領域番号 |
20K18506
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
森本 千晶 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (70806801)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 歯周病 / HIF-1 / コラーゲン |
研究開始時の研究の概要 |
これまでに申請者は、歯周組織においてHIF(Hypoxia Inducible Factor)が、コラーゲン量と質を制御することを明らかにした。HIFは血管新生を惹起し局所の酸素濃度を改善する一方で、HIF発現が恒常化すると、ECMが過剰産生され、肉芽組織が過成熟し、局所の炎症が遷延化する。しかしHIF誘導性コラーゲンが歯周病の病態形成に与える影響についての詳細は不明である。そこで、本研究では、歯周病原因子・修飾因子がHIF誘導性コラーゲン産生に及ぼす影響およびHIF誘導性コラーゲンの制御が歯周病の病態形成に及ぼす影響について検討し、マウス歯周病モデル用いて同機序の病態生理学的意義を検証する。
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研究成果の概要 |
本研究では、歯周病原因子・修飾因子が歯肉線維芽細胞(HGF)の低酸素誘導因子(HIF)誘導性コラーゲン産生に及ぼす影響について検討する一方でHIF誘導性コラーゲン制御がHGFの炎症反応に及ぼす影響について検討した。その結果、HGFをIL-1β刺激することによりHIF誘導性に上昇するプロコラーゲン合成水酸化酵素(P4HA1、PLOD2)の遺伝子発現が亢進することに加え、P4HA1発現抑制HGFでは、IL-1β誘導性IL-6およびIL-8の発現が有意に上昇することが明らかとなった。このことから、歯周組織において低酸素誘導性P4HA1が炎症反応を制御する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
歯周組織において過度な低酸素応答の結果生じるコラーゲンのP4HA1およびPLOD2による組織の構造変化は、組織破壊の原因である炎症性サイトカインの細胞外基質内への取り込みを増強させ、炎症を遷延化し、炎症性肉芽組織の形成を促進させる一因となるのではないかと考えられる。そこで、歯周病に対する罹患リスクや治療に対する反応性を診断するマーカーとして、P4HA1、PLOD2は有効ではないか、また、これら水酸化酵素の発現量を調整することで細胞外基質の構造の制御ができれば、これまで例のにない低酸素誘導性コラーゲンの制御に基づく治療法もしくは予防法の確立が可能になるのではないかと期待される。
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