研究課題
若手研究
本研究は、脂肪組織において炎症性遺伝子 (mRNA) 発現を制御するmiRNAを特定し、そのmiRNAを封入・保護したカプセルには抗炎症効果があることを検証し、肥満およびインスリン抵抗性、ならびにそれらを合併した歯周病への治療効果を実証することを目的とする。
炎症脂肪組織で発現抑制したmiRNAの中からmiR-582-5pに着目した。RAW264.7細胞にmiR-582-5pを導入しLPS刺激をすると、炎症性サイトカインが有意に発現抑制した。またSKP1がmiR-582-5pの直接のターゲットであることが分かった。SKP1は複合体を形成し、IkBaの分解とp65のリン酸化を誘導するが、miR-582-5pの導入でSkp1発現が下がり、IkBaの分解とp65のリン酸化、p65の核内移行が抑制した。以上、炎症状態ではmiR-582-5pの発現抑制し炎症性サイトカインの発現は亢進するが、このmiRNAはSkp1に結合することで抗炎症作用を示す。
脂肪組織炎症状態で発現が変動し、抗炎症作用のあるmiRNAを同定した。また、Skp1を直接のターゲットとすること、さらにはSkp1発現が抑制することによるmiR-582-5pの抗炎症メカニズムも明らかにした本研究は、動脈硬化症や高血圧症、LDLコレステロール値の上昇といった病態を示す日本人に多い軽度肥満型のメタボリックシンドロームに対する新たな治療戦略の構築において多大な貢献をもたらすと考えている。
すべて 2023 2022 2021 2020
すべて 雑誌論文 (11件) (うち国際共著 5件、 査読あり 11件、 オープンアクセス 11件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)
Archives of Biochemistry and Biophysics
巻: 734 ページ: 109501-109501
10.1016/j.abb.2022.109501
Front Cell Dev Biol
巻: 10 ページ: 1061216-1061216
10.3389/fcell.2022.1061216
Acta Diabetol
巻: 59 号: 10 ページ: 1275-1286
10.1007/s00592-022-01930-y
J Endocrinol.
巻: in press 号: 1 ページ: 1-6
10.1530/joe-21-0424
BMJ Open Diabetes Research & Care
巻: 9 号: 1 ページ: e001871-e001871
10.1136/bmjdrc-2020-001871
Case Reports in Dermatological Medicine
巻: 2021 ページ: 1-5
10.1155/2021/5548760
Journal of Biological Chemistry
巻: 296 ページ: 100274-100274
10.1016/j.jbc.2021.100274
Biochemical and Biophysical Research Communications
巻: 552 ページ: 106-113
10.1016/j.bbrc.2021.03.045
Biochem Biophys Rep.
巻: Jul ページ: 100757-100757
10.1016/j.bbrep.2020.100757
Scientific Reports
巻: 10 号: 1 ページ: 9785-9785
10.1038/s41598-020-66660-z
巻: 533 号: 4 ページ: 1076-1082
10.1016/j.bbrc.2020.09.129