研究課題/領域番号 |
20K18518
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
山下 慶子 東京歯科大学, 歯学部, 助教 (50843538)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 歯周病原細菌 / Treponema denticola / ストレス応答 / T. denticola / 酸化ストレス応答 / 転写調節因子 / 酸化ストレス / 口腔スピロヘータ |
研究開始時の研究の概要 |
歯周病は世界的に蔓延している口腔の細菌感染症であり,その病因には歯周病原細菌と呼ばれる,幾つかの嫌気性菌が深く関わっている。これまでに,外環境の酸素を始めとした酸化ストレスに比較的弱い歯周病原細菌が,感染の過程でどのように酸化ストレスに応答し生存しているかについて研究が進められてきた。 本研究では,主要な歯周病原細菌の一種であるTreponema denticola において,酸化ストレス応答に関わる可能性のある新規転写調節因子に着目し,その機能について解析を行う。本研究により,T. denticola の酸化ストレス応答機構の一端を解明することが期待される。
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研究成果の概要 |
TDE_0260欠損株のトランスクリプトーム解析の結果,18遺伝子の発現上昇と12遺伝子の発現低下を認めた(カットオフ値:2.0-fold, p<0.05)。発現上昇を認めた遺伝子の中には,Thiol-specific peroxidase,および膜輸送タンパク質があった。うちEfflux 型の輸送タンパク質は,酸化ストレス環境下で細胞内のFe2+とのフェントン反応によるフリーラジカル発生を防ぐため,Fe2+の排出に寄与する可能性がある。 以上より,T. denticola TDE_0260は,ペルオキシダーゼや膜輸送タンパク質と協調して,本菌の酸化ストレス応答の一端を担うことが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
歯周病は世界的に蔓延している口腔の細菌感染症である。歯周病原細菌の多くは嫌気性であり,外環境からの酸化ストレスに効果的に対応する必要がある。これまで種々の歯周病原細菌において,酸化ストレス応答に関わる酵素や転写調節因子が明らかにされてきたが,主要な歯周病原細菌の一種であるTreponema denticola の酸化ストレス応答機構は不明であった。 本研究で,機能未知遺伝子TDE_0260がペルオキシダーゼや種々の膜輸送タンパク質と協調して本菌の酸化ストレス応答に関わることが示唆された。本研究では,細菌因子の制御を目的とした歯周治療における,新たな標的分子に関する基礎的な知見が得られた。
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