研究課題/領域番号 |
20K18529
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
城戸 大輔 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 助教 (40822549)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 歯周病 / 創傷治癒 / 糖尿病 |
研究開始時の研究の概要 |
現在我が国では経口糖尿病治療薬として7系統の薬剤が用いられており、そのうちビグアナイド系薬剤は糖代謝に関与するAMPキナーゼを活性化し糖代謝を促進する特徴を、またチアゾリジン系薬剤は細胞内インスリンシグナルを正常化する特徴を有することが報告されている。そこで本研究ではこれらの薬剤が歯周組織においても糖代謝を改善しインスリン抵抗性を改善するとの仮説を立てた。本研究では、糖尿病モデルラットを用いたin vivo実験、および動物組織より単離した歯肉線維芽細胞を使用したin vitro実験を実施し、ビグアナイド系薬剤およびチアゾリジン系薬剤が歯周組織の創傷治癒を改善する効果を有するかを検討する。
|
研究成果の概要 |
本研究では、糖尿病モデル動物の歯周組織における創傷治癒に経口糖尿病治療薬の服用が与える影響について検討した。実験の結果、動物実験の歯周組織において経口糖尿病治療薬の服用が、高血糖状態によって遅延する創傷治癒を改善することを明らかにした。また、細胞レベルにおいて、ビグアナイド系薬剤であるメトホルミンは歯肉線維芽細胞が高血糖状態によって傷害された細胞機能を改善することを示した。これらの研究結果から、経口糖尿病治療薬の服用は単に血糖値を改善する効果のみならず、低下した細胞機能を改善する可能性があることを明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は糖尿病と歯周病の関連性について創傷治癒の観点から明らかにすることを目的とし、糖尿病モデルラットに対し経口糖尿病治療薬であるビグアナイド系薬剤およびチアゾリジン系薬剤を用いて血糖コントロールを行うことが歯周組織にどのような影響を与えるかについて明らかにすることを目的としていた。本研究の結果、経口糖尿病治療薬が歯肉の創傷治癒の遅延を改善する可能性が示唆された。本研究によってもたらされる結果は、糖尿病患者における歯周組織の創傷治癒の遅延の改善および歯周炎重症化予防への一助となることから医歯学臨床応用への発展に寄与し、国民の健康の向上への糸口となることが見込まれる。
|