研究課題/領域番号 |
20K18540
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
ジャウディン エスエム 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 客員研究員 (80868141)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | 歯石 / 歯周病原細菌 / 上皮 / 歯周病 / 歯周ポケット / 歯石結晶 |
研究開始時の研究の概要 |
歯石中のリン酸カルシウム結晶はNLRP3インフラマソームを活性化してマクロファージのIL-1β産生を誘導し、さらに歯肉上皮細胞にピロトーシスと呼ばれるインフラマソーム依存性細胞死を誘導することが明らかとなった。歯肉上皮細胞にピロトーシスが誘導されると歯肉溝/歯周ポケットにおける上皮バリアが破壊され、プラーク中の細菌の侵入を許し、歯周組織破壊がさらに進行する。本研究では、歯肉上皮細胞を歯石および歯周病原細菌で刺激し、細胞傷害性試験および細胞シート透過性試験を行うことにより、歯周ポケット上皮バリア破壊における歯石および歯周病原細菌の役割を明らかにする。
|
研究成果の概要 |
歯周病患者では歯石沈着により症状が悪化することが知られているが、歯石が歯周病の病状を悪化させるメカニズムについては不明な点が多い。本研究では、歯石中のリン酸カルシウム結晶が、マクロファージにおいてはNLRP3インフラマソームという自然炎症経路を活性化して炎症性サイトカインIL-1β産生を誘導し、歯肉上皮細胞においては、ピロトーシスと呼ばれるインフラマソーム依存性細胞死を誘導して上皮細胞シートの透過性を亢進させることを明らかにした。これらの結果から、歯石粒子の歯肉上皮バリア破壊と歯周組織における炎症拡大への関与が示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
歯周病患者では歯石沈着により症状が悪化することは広く知られているが、歯石はプラークリテンション因子と考えられ、歯石自体の為害作用はあまり知られていない。本研究では、歯石中のリン酸カルシウム結晶が、NLRP3インフラマソームの活性化を介して歯周組織の破壊と歯周組炎症拡大に関与することを示したものであり、学術的に重要な意味を持つと同時に、今後の新たな歯周病の診断、治療法の開発へ寄与することが期待される。
|