研究課題/領域番号 |
20K18542
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
山田 理 昭和大学, 歯学部, 兼任講師 (50806156)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 青色励起光 / S.mutans / S.sobrinus / 赤色励起蛍光 / Storeptococcus mutans / う蝕罹患歯質 / う蝕関連細菌 / 励起蛍光測定 |
研究開始時の研究の概要 |
各う蝕関連細菌を摂取した0.5%スクロース含有BHI液体培地に浸漬させ形成した人工う蝕象牙質を使用する。コントロールとして、各う蝕関連細菌を摂取した0.5%スクロース未含有BHI液体培地に浸漬させた象牙質試片および、HClの添加を行った細菌によらない脱灰象牙質を使用する。 ①う蝕関連細菌から形成された人工う蝕象牙質に青色励起光を照射した際の励起蛍光を観察 ②蛍光スペクトルを計測、形成した人工う蝕象牙質を様々な条件の培地で培養し、培養された試片に対し青色励起光を照射した際の励起蛍光を観察 ③さらに励起蛍光を示したコロニーに対して、分光分析器にて蛍光スペクトルを計測 以上から得られた結果の比較検討を行う。
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研究実績の概要 |
0.5%スクロース含有BHI培地にStreptococcus mutans 株を培養し、青色励起光を照射したところ、菌体及び溶液から赤色励起蛍光は確認できなかった。しかし、滅菌処理を行った歯牙試片を同条件下で培養し青色励起光を照射したところ、試片から赤色励起蛍光の発現が認められ、励起蛍光測定においても特異的な分光スペクトルが確認できた。さらに、培養した試片をSEMにて観察したところ、歯質の構造破壊が確認され、破壊された歯質の周囲にはS.mutans の付着が確認された。さらにSEMにて歯質の構造破壊を認めたことから、う蝕様歯質の一部を人工的に形成できた可能性が示唆され、液体培地でS.mutansと共に培養した試片において赤色励起蛍光の発現が認められたことから、う蝕関連細菌が歯質に付着し、成長を進める過程において発生する産生物等が赤色励起蛍光の発現に関与している可能性が示唆された。本年度は昨年同様、う蝕関連細菌であるStreptococcus sanguinis 株、Streptococcus sobrinus 株、Actunomyces viscosus 株についてう蝕を伴わない歯質を人工的に歯質の構造破壊を起こさせることが可能か検討するとともに、赤色励起蛍光の発現とう蝕関連細菌の関連について検討した。 その結果、Streptococcus sanguinis 株、Actunomyces viscosus 株では赤色励起蛍光の発現は認められなかった。Streptococcus sobrinus 株においてはS,mutans 株よりは微弱であったが赤色励起蛍光の発現が認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
情報収集が思ったように進まなかったこと、また試片採取に時間を要したことが理由と考える。
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今後の研究の推進方策 |
赤色励起蛍光を発現した人工う蝕象牙質を形成した細菌と同じ種類の細菌が存在しているかをpolymerase chain reaction(PCR法)もしくはreal time PCR法を用いて精査する。また、スクリーニングを行い、疑似的に作成した試片内に存在する物質を精査する。
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