研究課題/領域番号 |
20K18549
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
藤田 将典 愛知学院大学, 歯学部, 助教 (30784566)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 根管消毒 / ナノバブル / 感染根管 / 感染根管治療 / 象牙細管 / 薬剤導入 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、表面がプラスの電価を帯びたプラスチャージナノバブルを用いて象牙細管への薬剤導入法を開発することである。 新たなナノバブル薬剤導入法臨床応用のためにブタ抜去歯を使用し、①象牙質への薬剤導入の至適条件を検討、②感染根管への有効性を明らかにする。 本方法が臨床応用可能となれば根管治療の成功率を飛躍的に向上させられると期待できる。
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研究実績の概要 |
令和5年度に計画していた象牙質への薬剤導入試適条件の検証は、焦点レーザー顕微鏡の修理の目処が立っておらず行えなかった。計画を変更して感染根管モデルにおいて、プラス帯電性オゾンナノバブル水と超音波洗浄を併用の効果を検証した。 感染根管モデル(Enterococcus. faecalis)において根管洗浄を行い、その前後に釣菌を行った。その後根管内に生理食塩水を満たし、37℃にて2日間好気条件湿潤下にて保管した。同様の実験を連続3回行った。さらに2日間保管し再度釣菌を行った。釣菌したサンプルは段階希釈法で細菌数を測定した。根管洗浄は生理食塩水、3~6%次亜塩素酸ナトリウム溶液、2%グルコン酸クロルヘキシジン、オゾンナノバブル水にて行った。また、歯科用超音波機器ピエゾン250 と生理食塩水、2%グルコン酸クロルヘキシジン、オゾンナノバブル水を用いて超音波洗浄 (出力: 3)を行った。いずれも洗浄液の使用量は5ml、洗浄時間は1分間で行った。 生理食塩水にて超音波洗浄した根管からは1000~10000CFU/mlレベルの細菌が検出された。次亜塩素酸ナトリウム溶液およびグルコン酸クロルヘキシジンにて洗浄を行った直後は細菌が検出限界以下となったが、2日後には1000~10000CFU/mlレベルの細菌が検出された。グルコン酸クロルヘキシジンにて超音波洗浄を行った直後は細菌が検出限界以下となったが、1, 2回目の2日後には1000~10000CFU/mlレベルの細菌が検出された。3回目の2日後では検出限界以下であった。オゾンナノバブル水にて洗浄を行った根管からは洗浄直後および2日後に1000CFU/mlレベルの細菌が検出された。オゾンナノバブル水にて超音波洗浄を行った根管は3回目に検出限界以下となり、その2日後も検出限界以下であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和2,3年度での新型コロナウイルス流行によりナノバブル水の供給が滞ったことと、令和3年度に病気療養が必要となり一時休職をしなければならなかった。 令和5年度においては作製元の引っ越しのため、プラス帯電性オゾンナノバブル水の提供がやや停滞した。また、当研究室の引っ越しのため3ヶ月ほど研究が行えなかった。また、焦点レーザー顕微鏡の修理の目処が立っておらず、令和5年度に計画していた象牙質への薬剤導入至適条件の検証がおこなえなかった。 そのため、研究が当初の計画よりも遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は象牙質への薬剤導入試適条件の検証を行う。 プラス帯電性ナノバブル水の象牙質への薬剤導入至適条件の検証方法として、濃度および内包するガスの種類により指標となる抗菌薬テトラサイクリンの浸透深度を比べ、最も浸透した条件を至適条件として決定する。サンプルとして利用する予定のブタ抜去歯はすでに処置は終わっており、焦点レーザー顕微鏡の修理が完了次第施行できる状態にある。修理状況により他施設のものを使用できないか検討する。 焦点レーザー顕微鏡の修理の目処が立たない場合は、プラス帯電性バブル水の洗浄効果の検証を行う。 洗浄効果の検証方法として、ブタ抜去歯に拡大形成を行い、根管スミアー層モデルを作製し、プラス帯電性ナノバブル水にて洗浄を行う。その後、SEMを用いて観察しスミヤー層の除去を検証する。 上記実験を今年度前半に行うと共に論文発表の準備を行う。今年度後半には論文投稿を行う予定である。
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