研究課題/領域番号 |
20K18568
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57040:口腔再生医学および歯科医用工学関連
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研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
加我 公行 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 講師 (50824083)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | マイクロナノパターン / PLGA / ナノインプリント / メンブレン / 再生療法 / 骨芽細胞 / 上皮細胞 / マイクロ・ナノパターン / ぬれ性 / 生体吸収ポリマー |
研究開始時の研究の概要 |
歯周組織再生誘導法(GTR)や 骨再生誘導療法(GBR法)で用いるメンブレンは,再生医療の具備すべき材料特性として物理的機能と生体親和性が求められる.しかし,これらのメンブレンにおいては,材料自体に細胞の接着・伸展・増殖・分化を刺激する生理活性機能は付与されていない.生体材料にマイクロ・ナノパターンを付与することで細胞の接着・形態・分化に影響を及ぼすことが報告されている.本研究ではこれらの技術を応用し,生体内吸収性ポリマーであるPLGAシートにマイクロ・ナノパターン構造を付与し,生理活性機能を有した吸収性メンブレンを創成し,生体材料表面の新機能発現の可能性を探求する.
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研究実績の概要 |
本年度は,マウス骨芽細胞様細胞 MC3T3-E1 (Riken cell bank) およびヒト歯肉由来上皮細胞 Ca9-22 (Riken cell bank) を10% FBS含有α-MEM,DMEM中で,24時間および7日間培養し,細胞数の計測を行った. また,骨芽細胞においては,14日,28日間培養し,アリザリンレッドS染色(コスモバイオ)を行い,実体顕微鏡にて観察を行った. 結果:骨芽細胞(MC3T3-E1)の24時間培養後の細胞接着数は,平面(control)と比較し,Groove, Pillar, Holeのマイクロナノパターン上で有意に多かった.また,培養7日後においては,Groove, Pillar, Hole上で骨芽細胞の細胞数がcontrolと比較し,有意に多かった.パターン間での細胞数に有意差は認めなかった. パターン化PLGA上で,骨芽細胞の7,14日,28日と培養し,アリザリンレッド染色を行い石灰化基質産生能の評価を行った.骨芽細胞においては,平面(control)と比較し,Groove, Pillar, Holeのマイクロナノパターン上で,controlよりも多くの石灰化基質の沈着が認められた.パターン化での染色程度に違いは認めなかった. 上皮細胞(Ca9-22)の24時間培養後の細胞接着数は,平面(control)と比較し,Groove, Pillar, Holeのマイクロナノパターン上で有意に少なかった.また,培養7日後においては,Groove, Pillar上で上皮細胞の細胞数がcontrolと比較し,有意に少なかった.骨芽細胞では,マイクロナノパターンを付与することで細胞接着・増殖能が向上し,上皮細胞では,細胞接着・増殖能が抑制されることが示された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
covid-19の影響により,細胞培養のスムーズな計画を行えなかった.そのため,骨芽細胞のパターン間によるPCRの評価を行えなかった.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,in vitroでの骨芽細胞の分化能の評価を行う.その後,ラット頭蓋骨にて骨欠損モデルにて,パターン化PLGAの被覆を行い新生骨量の評価および組織学的評価を検証する.以上の実験により,パターン化PLGAメンブレンのパターンの違いによる細胞接着,メンブレン内部への結合組織の侵入,欠損側での新生骨量を比較し,生体内でのパターンによる活性の違いを検討する.
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