研究課題/領域番号 |
20K18572
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57040:口腔再生医学および歯科医用工学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
中村 仁 名古屋大学, 工学研究科, 講師 (30771513)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 医用材料 / 歯科インプラント / ジルコニア / 表面処理 / リン酸ジルコニウム / 生体微量元素 / 抗菌性 / 銀イオン / 歯周組織再生 / インプラント / 無機イオン / 層状リン酸塩 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、人工歯根用のチタン合金に生体組織の自己修復を促進する機能を付与するための新たな材料設計の概念を開拓する。生体の自己修復の促進には生体微量元素を用いる。生体内に存在する微量な無機元素は生命活動の維持に重要な役割を担い、適切な濃度域であれば、生理学的活性を高める機能を持つ。層状構造を持つ新たなナノ複合材料を簡便にチタン合金表面に形成する手法を確立し、その層間に生体微量金属を導入する手法で、生体微量元素が徐放可能な人工歯根用材料の構築をめざす。さらに、材料に対するヒト歯周組織由来細胞の応答を調べ、in vitroでの組織再生促進効果ついて知見を集積する。
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研究成果の概要 |
液相プロセスを応用して層状構造を持つナノ複合材料微粒子をジルコニア基材の表面に形成した。さらに、その層間に生体微量元素や抗菌性を示す元素、ならびに骨分化を誘引する有機分子を組み入れる手法を確立した。これらの薄膜を形成した基材からは、体液模倣環境下においてコバルトや銀などの無機イオンを徐放可能であった。さらに、基材表面において骨芽細胞の分化促進や抗菌性などの機能が発現することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
歯周組織を再建する人工歯の材料として、ジルコニアセラミックスやチタンが臨床で使用されている。これらの材料は異物反応を示さず歯周組織との馴染みよさに優れる。一方、歯周組織に能動的に働きかけその再生を促す機能や、抗菌性などの機能を持たず、人工歯周囲における歯周炎のリスクを低減可能な材料やその表面処理手法の開拓が喫緊の課題である。本研究課題で得た成果は、従前から使用されてきた人工歯用の材料に骨形成促進や抗菌性などの機能を付与するための新規表面処理法の指針を提供するものである。
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