研究課題/領域番号 |
20K18577
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57040:口腔再生医学および歯科医用工学関連
|
研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
佐野 孝太朗 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (10852486)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | 歯周病 / 再生医療 / スフェロイド / 歯根膜幹細胞 / 細胞移植 / 歯周組織再生 |
研究開始時の研究の概要 |
歯周組織は種々の組織によって複雑に構成されており、現在のところ、歯周病により失わ れた歯周組織を完全に再生させることはできない。歯根膜幹細胞は多分化能を有し、歯周組織再生に有効である。また、スフェロイドとは細胞が3次元的に自己凝集した球状の細胞塊で、一般的な単層培養細胞と比較して生理的機能が向上している。歯根膜幹細胞を用いて作製した歯根膜幹細胞スフェロイドの表面を、血管内皮細胞で覆うことで2層構造のスフェロイドを作製する。さらに、2層構造のスフェロイドからスフェロイドファイバーおよびスフェロイドブロックを作製し、形態的・機能的解析、およびラットに移植し歯周組織再生能の検討を行う。
|
研究成果の概要 |
スフェロイドブロックのもととなる歯根膜細胞スフェロイドは、単層培養細胞に比べて幹細胞関連遺伝子発現、および骨関連遺伝子発現が有意に上昇していた。スフェロイドブロックはピンセットを用いて把持可能で、Live/Dead染色より、中心壊死することなく形態を維持できていた。また、骨分化誘導時に石灰化結節を形成することがALP染色により明らかとなった。また、ブロック内部が疎にならず構成されており、軟骨分化・脂肪分化条件下で誘導すると、それぞれに分化誘導されることが組織学的評価で確認できた。 これより、多分化能および内部生存性を有する、操作性を確保したスフェロイドブロックを作成できたことが示された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
歯根膜幹細胞スフェロイドが歯周組織再生に有効であること、スフェロイドが単層培養細胞と比べて生理的機能が向上していることは報告されている。我々は歯根膜幹細胞スフェロイドをマウスおよびラットモデルに移植し、組織再生が可能であることを実証してきたが、スフェロイドの直径が100μm程度であり単独での移植が不可能であったため、スキャホールドを併用して実験を行っていた。 本研究により、多分化能および内部生存性を有する、操作性を確保したスフェロイドブロックを作成できたことで、歯根膜幹細胞スフェロイドをスキャホールドフリーで移植可能となった。この技術は、細胞治療・再生医療の発展の点で意義深い研究だと考えられる。
|