研究課題/領域番号 |
20K18583
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57040:口腔再生医学および歯科医用工学関連
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研究機関 | 神奈川歯科大学 |
研究代表者 |
藤岡 隼 神奈川歯科大学, 歯学部, 特任講師 (70849356)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 赤外レーザー / 樹脂加工 / レーザーアブレーション / 赤外自由電子レーザー / 有機-無機ハイブリッド材料 / FT-IR / 熱損傷 / レーザー加工 / HAZ / 熱加工 / 高分子化合物 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,医療界や産業界において金属材料には無い軽量性・高強度など多くの点でメリットを有する有機-無機ハイブリッド材料の採用が増加している.これらの加工にはレーザーが多用されるが,樹脂に吸収の無い波長でのレーザーでは熱損傷や変形・変質といった問題も多い.一方,分子の吸収に対応する赤外レーザーを用いた研究報告は極めて少ない.今回,国内3施設の赤外自由電子レーザーを用いて他の加工法と比較しながら単一・ハイブリッド組成の樹脂材料に対する加工法を確立して光のパラメータを探索する.表面性状の評価を行うと共に,照射時に発生する気体を採取し,定性・定量分析を行うことで照射時の反応メカニズムをも追跡する.
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研究成果の概要 |
金属材料に代わり,軽量化などのメリットがある樹脂材料の進歩は目覚ましい.加工法も多くの手法が開発され,その中でもレーザー加工は様々なメリットがある為,多用される.しかし,光源が限定されていることから,熱損傷による精度低下が問題となっている.また,有機-無機ハイブリッド材料は加工法が未だに確立していない.今回,分子の吸収に対応した光を無段階で発振可能な波長可変赤外自由電子レーザーを用いて,難加工性であるハロゲン置換エチレン骨格樹脂の加工実験を行った.この結果,分子の吸収に対応した光は,吸収に非対応な光と比較して加工深さが深く,熱損傷の少ない加工が可能であった.また,この際の化学反応を追跡した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
レーザー加工を行う際にビーム周囲にHAZ(Heat Affected Zone)と呼ばれる熱損傷部位が生成する.熱影響のない所謂“綺麗な断面”を得られるように様々なレーザー加工法が研究され,工夫も多岐に亘るものの,根本的な解決には至っていない.単一・複合物質の中赤外領域における分子の吸収と共鳴する光によるレーザー加工は他に例を見なく,これまでの問題解決の可能性を秘めている.更には,この技術は加工精度の飛躍的向上,切削片の減少による労働衛生環境向上,更には今まで経験や勘に依存していた技術を一般化することによる医療コスト・人的資源の節約にも繋がると考えられる.
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